延長後半に決勝ゴールを決めた阪南大高DF鮎川岳叶

 敗戦濃厚からの劇的逆転勝利で2年ぶり6度目の決勝進出を決めたインターハイ大阪王者の阪南大高大阪産大附との準々決勝で途中出場し、殊勲の決勝ゴールを挙げたDF鮎川岳叶。鮎川はインターハイ大阪予選では初戦で出場機会を掴むも、その後は本大会でも出場することが出来ず、人一倍悔しい想いを持ちながらこの選手権に挑み、準決勝の舞台で大仕事をやってのけた。

 「今まで先制されることがなかったのでちょっと焦る部分はあったんですけど、今までを見てきたので大丈夫だろう」とベンチで戦況を見守っていたところ68分に出番がやってきた。「負けていたので自分が前にどんどん出て行ってシュートを打って決めようと、強い気持ちを持って」ピッチに入ると、後半アディショナルタイムにDF保田成琉のゴールで1-1の同点に追い付き、延長も後半に入り94分に鮎川に決定機がやってくる。

 自ら2度競り合って獲得したFK。そのFKがこぼれたところを拾い「自分で決めて勝負を終わらせようと思っていた」と思い切り右足を振り抜いた。シュートがゴールネットに突き刺さると「めっちゃ嬉しかった」という鮎川はベンチに向かって走り出し喜びを爆発させた。

 鮎川は今年のインターハイ大阪予選の初戦に出場するも、「緊張して自分の良さが出せずに大きなミスをしてしまった」とその後はメンバー外に。チームは大阪王者となり全国大会に出場するも、鮎川はメンバー外となってしまった。

 「悔しい気持ちを持って練習してきたので、この結果に繋がって嬉しいです」と悔しさを糧に腐らず努力したことでチャンスを掴むことに繋がった。濱田豪監督も「インターハイではメンバーの17人に選ばず、これまで苦労してきた子なので、この選手権に掛ける想いが出ていたのでチャンスを与えました。今までは綺麗なプレーをする選手だったんですけど、気持ちをプレーで表せるようになってきてコンタクトも出来るようになりました。素晴らしいゴールでしたね」と鮎川の活躍を喜んだ。

 鮎川は決勝戦への意気込みを聞かれると「メンバーには入っていなかったんですが、去年と一昨年で決勝と準決勝で負けているので、絶対に負けたくないという気持ちを持って優勝したいと思います」とコメント。気持ちを前面に出して戦う事でチャンスを掴んだ彼の決勝での活躍に期待したい。

(文・写真=会田健司)

▽第100回全国高校サッカー選手権大阪予選
第100回全国高校サッカー選手権大阪予選