立教新座 vs 浦和南(写真=石黒登)

 出足の一歩で上回り、主導権を渡さなかった浦和南が立教新座を下し、決勝進出を決めた。

「相手が5バック気味で横に動かしてキーパーがビルドアップしてきて、それにつられてプレスも嵌まらず、剥がされたり、速攻を食らったりしてしまった」と野崎正治監督はいう。

 立ち上がりは立教新座の予想外の5バックに手間取ったが、徐々に相手のシステムにも慣れダイレクトプレーを増やしていくと、前半30分に10番MF大里直也(3年)がエリア左を一瞬のスピードを使ったドリブルで抉り、最後は右足で強烈なシュートを叩き込んだ。

 さらに前半終了間際には2点目。スローイン後の展開からDF安田航大(3年)が正確なクロスを送ると、これをFW立沢太郎(2年)が打点の高いヘディングで決めた。レギュラーFWの三上倫空(3年)にアクシデントがあった中で出番を掴んだ2年生FWは大里とともに準々決勝・浦和東戦に続く、2試合連続ゴールと指揮官の期待を上回る活躍を見せている。

 また、後半は守護神の黒田海渡(3年)が抜群のパフォーマンス。相手がロングスローワーを投入してきた中でゴール前に入るハイボールはすべて黒田の手に吸い込まれていった。36分にはDFが相手のドリブルに引きつけられ、真ん中のフリースペースにスルーパスを通され絶体絶命のピンチかと思われたが、ここもしっかりと準備しゴールは許さなかった。

 終盤にはカウンターから大里が運び、FW丸山峻也(3年)が繋いで最後はMF奥村青葉(3年)がダメ押しとなるチーム3点目をマークし、3年ぶりの優勝に向け決勝進出を飾った。

 結果だけ見れば3-0完勝という形だが、野崎監督は序盤の相手のシステムにうまく対応できなかった部分なども含め「今日は内容はなかった」とあえて厳しい言葉。決勝に向けては「何しろ接戦に持ち込みたい。ディフェンスをしっかりやらないとやられてしまうと思うので、1週間調整じゃなくて「鍛えます」」と再度肉体面、精神面を鍛えて舞台に向かう。

(文、写真=石黒登)

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