1年生から注目を浴びこの大会で高校サッカーを終えた神戸弘陵MF田中祉同

　11月20日、プリンスリーグ関西 プレーオフ（参入戦）1回戦がJグリーン堺で行われ、神戸弘陵(兵庫1)は近大附(大阪2)にPK戦で敗れプリンスリーグ関西1部昇格を逃した。その神戸弘陵は2点を先行され苦しい展開の中、MF田中祉同のゴールで1点差に迫り、後半アディショナルに同点に追い付いたもののPK戦で惜しくも敗れてしまった。背番号10を背負いチームの中心としてプレーしてきたMF田中に試合後話を聞いた。

ーー悔しい結果になってしまいましたが、今日の試合を振り返ってみてもらえますか？

　選手権で滝二とやった時に(準決勝)2点先に取られて1点取り返したんですけど、そのまま終わってしまって2週間後にこの参入戦ということで、気持ち的にもみんなしんどいところはあったんですけど"そこはタフになろう！"とやってきて、今日も2点先制されてしまったんですけど、今日は最後まで諦めずに"絶対勝てる！"という気持ちを持ってやっていたので、2点返せたのはちょっとした成長ですけど、やっぱり最後で勝ち切れないってところが相手より劣っていた部分なのかなと思います。凄く悔しい気持ちはありますけど、これからサッカーをする人もしない人もいますけど、そこで"選手権や今日の負けがあって良かった"って胸を張って言えるようにしないと負けた意味がないと思うので、意味を持たせられるようにしていきたいです。

ーーご自身の1点目のシーンを振り返ってもらえますか？

　後半残りも少ない感じになって来て、途中で入ってきたCBの子がロングスローが飛ぶのがわかっていたので、"絶対ボールがこぼれてくる！"と強い気持ちでいたらこぼれてきて、(シュートは)ちょっとバウンドしてしまったんですけど入って良かったです。

ーー2点先行された時には選手権の事が頭によぎりましたか？

　そうですね、やっぱり先制されて2点目を取られた時には"選手権と一緒の形やな"と思いました。だけど、選手権で負けた時にやっぱり「そうなったとしても最後までしっかりやろう！」と言っていたので、頭によぎりましたけど、選手権の時と比べて"絶対にまだいける！"って気持ちが残っていたので、そこでちょっとは成長できたのかなと思いました。

ーーPKのキッカーの時に凄い時間をかけていましたが？

　僕はいつもPKを蹴る時は、去年の選手権の時もなんですけど、ずっと時間を使って自分のタイミングで蹴るようにしています。練習の時にもコーチから「自分のタイミングで蹴れ」と言われていたので、僕はああいう時間を使う形で蹴っています。ちょっと触られてしまいましたけど、入って良かったです。

ーー1年生から注目されてきて、選手権で全国も経験して、この大会が高校で最後になりましたけど、3年間を振り返ってみるとどうでしたか？

　1年生の時から試合に出してもらって、全国でも点を決めて少しは注目はされていましたけど、やっぱりそこからの"もっと上の数字"っていうのが止まってしまっていて、結果的に高卒プロ入りも目指していましたけどダメでしたし。でも、大学では関東に行くのでそこでまた新たにプロを目指して、自分が成長出来るようにやっていけたらなと思っています。ただ、この時期に引退というのは正直考えていなかったので、やっぱり自分たちの代なので全国に行きたいと思っていました。僕は去年一昨年と全国を経験させてもらったんですけど、滝二の10番(MF藤田仁朗)と仲が良いんですけど、彼はその2年間で悔しい思いをして成長してきたと思うので、僕もこの悔しい思いが自分の成長に繋がるんじゃないかと思って、そう考えないとダメなんじゃないかと思うのでそこに繋げられるようにしていきたいと思います。ちょっと引退の時期は早くなってしまったんですけど、大学までの期間で成長して、次のステージでプロになって活躍できるようにうやっていきたいと思います。

ーー3年間一緒に戦って来た3年生達にはどういう想いがありますか？

　僕は1.2年生のときとかはあまり一緒に出来なかったんですけど、この1年間はみんなとずっと一緒にやってきて、能力が高くて面白い選手が多かったんで可能性はいっぱいあったですけど、ちょっと自分たちのメンタルの弱さが。。。でも本当に最高の仲間たちでしたし、このメンバーに僕は自信を持っているので、また一緒にサッカーをする子もしない子も、このメンバーでやってきた楽しい経験もつらい経験も今後に活かしてほしいです。このメンバーでやれた3年間はどこよりも最高やったと自信を持って言えるので、みんなも新たなステージで頑張って欲しいなと思っています。

（文・写真＝会田健司）