PK戦で勝利し歓喜の近江イレブン

　プリンスリーグ関西 プレーオフ（参入戦）決定戦がJグリーン堺で行われ、近江(滋賀2)が近大附(大阪2)に0-0から10本目までもつれたPK戦を8-7で制し、見事にプリンス1部復帰を果たした。

　その近江でキャプテンを務め、ディフェンス陣を引っ張りってきたのがDF大隅颯だ。大隅の活躍もあり、近江はプレーオフ2試合を無失点で切り抜けた。その大隅に試合後話を聞いた。

ーー今日の試合を振り返ってもらえますか？

　1回戦で東山と当たって、自分たちはインターハイも選手権も出られなかったというのもあって、自分たち3年にとって出来ることはもうこのプリンスに上げる事しかなかったので、その東山にチーム一体となって戦って、自分たちでも一つになれば東山にも勝てるって事がわかったし、その気持ちを忘れずに今日は近大附にぶつけて、諦めない気持ちを持ち続けたことが今日の勝利に繋がったのかなと思います。

ーー1回戦に比べると今日の試合まで時間がなかったと思いますが、東山戦の後はどういう準備をしてきましたか？

　どの試合でも対戦相手の分析は欠かさずやっていて、監督スタッフ含め自分たちはやってきたつもりなので、相手の特徴だったりもインプットしてきて、決定機も作られなかったと思うので、やってきて良かったなと思います。あとは、分析しても予想できなかったことが起こった時に、自分たちがどういう対応が出来るかっていうのをこの1年間やってきて、力も付いてきたと思います。

ーー今日は風も強くてプレーに影響もあったと思うんですが、気を付けていたことはありますか？

　ロングスローとかコーナーキックとかのセットプレーを大事にしてきて、練習でもセットプレーに時間もかけてきたんですけど、今日こんなに風が強いとは予測できていなくて、でも試合の中でも全員意思疎通出来ていて上手く対応できたと思います。

ーー前線の選手はボールタッチに特徴のある選手が多いですが、キャプテンから見ると今年のチームはどういう特徴のチームでしたか？

　去年のチームは選手権で全国に出て、その去年のチームの特徴は"攻めて攻めて攻め倒す"っていうサッカーだったんですけど、今年のチームはそれ程技術レベルはなかったんですけど、それでも身体的なところだったり、個人の能力を生かしたサッカーをやってきたので、技術のある選手はもちろんいるんですけど、そういうところで融合させながら、自分たちが一番勝てるように監督が自分たちの為に考えてくれて、常に僕たちに伝えてくれたので、あとはそれを自分たちがピッチの中でどう表現するかでした。この試合でもやる事を明確にして出来たと思います。

ーープリンス昇格を決めた気持ちはどうですか？

　この一年キャプテンとしてやらせてもらってきて、やっぱりインターハイも選手権も出れなくて。。。強化して1期生から何かしらのタイトルを取ってきて、今年はその2つの大きいタイトルを取れなかったので歴史を止めてしまって、それは監督からも言われていて、自分はそこに責任も感じていました。でもやっぱりサッカーで声を出して、リーダーシップを取るのが自分の役目だと思っていました。プリンス1部か2部かも大きかったので、結果的に全員でプリンス1部を勝ち取れたので、来年は1.2年生に自分たちが出れなかった全国の目標を託して、プリンスを通して強くなっていって欲しいです。

ーー3年間一緒にやってきた仲間にはどういう想いがありますか？

　僕たちは入った時から力がなかったですし、選手権が終わった時に3年が残せるのはこのプリンスだけだったので、やっぱりこのプリンスにかける想いはどこのチームよりどの学年よりも、僕たちの方が強かったと思うので、監督が交代で使ったのも気持ちが入っていた3年だったので、本当に力はなかったんですけど、最後に一体となって勝てたのは、今まで培ってきた団結力で勝ち取れたのかなと思うので、本当に3年の力が最後の試合で出せて良かったなと思います。

ーー最後に、3年間やってきて監督にはどういう気持ちがありますか？

　僕は1年の頃からAチームに関わらせてもらって、中学の頃から本当にレベルアップしましたし、大学でもサッカーを続けていくんですけど、監督が成長させてくれたからこそ、今の自分がいると思いますし、近江高校に来てなかったらこんなに成長出来なかったと思います。監督は練習の時から本気でやっていますし、そういうところを自分たちが見習って、自分たちがそういう雰囲気を作っていかなきゃいけないと思っていました。監督のおかげで、3年間で本当にレベルアップ出来ましたし、その姿を今日の試合でも見せることが出来たと思うので、これからもそのことを忘れずにサッカーを続けていきたいなと思います。

（文・写真＝会田健司）