興國戦のハーフタイムに選手に指示を出す履正社の平野直樹監督

　高円宮杯 JFA U−18サッカープリンスリーグ2021関西の第17節が11月27日に行われ、勝てば優勝の履正社(大阪)は後半から出場のFW名願斗哉の2ゴールの活躍もあり興國に2-1で勝利。履正社が見事にプリンス関西優勝を飾り、プレミアプレーオフに1位で進出を決めた。その履正社を率いる平野直樹監督に試合後お話を伺った。

ーープリンスリーグ優勝おめでとうございます。

　2試合残して優勝出来て良かったです。

ーー前半は難しい試合内容でしたが？

　前回(阪南大高戦3-1〇)もそうで、「90分後に勝っているチームになろう！」と言っていて。選手権(決勝)も入りが良くなくて、残念な結果になってしまったので、トータルで勝負していこうと。交代もひっくるめて、決していい選手が11人しかいないという訳ではないので、相手のストロングポイントを削りながら、総合的にやった結果かなと思います。やっぱりディフェンスラインは軽視できないので、90分トータルでみた時に、前半は無失点、もしくは最少失点で。後半フレッシュな選手を入れて、しかも強力な選手を入れてっていうことでやったら流れがうちに傾いてくれました。

　FW陣も裏を狙い続けたので、結果相手がイエロー2枚で退場と、相手からしたらアンラッキーで可哀そうですけど、それはこちらが仕掛けていないと起こらない事なのでね。クオリティには問題があるけどよくやってくれたかなと思います。

ーー前半上手くいかないところはある程度想定内でしたか？

　そうですね。センターバックの選手が受験でいなかったり、うちはあと2試合残していたので、勝ち点を少しでも積み重ねればチャンスがあったので。これがリーグ戦の良さで、大事な試合で普段使っていない選手にトライさせてあげることが出来る。CB森本(恵太)もそうだし、彼は高さもあって信頼も出来るのでここでトライさせて。トーナメントではこれが出来ないので、選手を育成するにはリーグの方が向いている気がしますね。

ーー前半は興國の11番(永長鷹虎)で、後半は履正社の11番(名願斗哉)が際立った試合でしたが、名願君は凄かったですね？

　永長君はキレのある感じで、あの左足の柔らかさは特筆すべきものがあるし、名願は独特なリズムですり抜けていくって感じですね。名願は得点に絡めてきているし、足元で貰ってからだけじゃなくて、裏に飛び出してっていうフリーランからPKを貰ったので。守備には課題があるんだけども成長してもらいたい選手ですね。

ーースターティングメンバーに名願君がいなくてびっくりしましたが？

　最初から使うか、相手が疲れてきてから使うかってところで、みんなが先発で来るだろうと思っているだろうと思ったので。代わりに出た張山(拓夢)はあの子もドリブルが凄い得意な上手い子で、「前向きで受けたら思い切ってトライしてみろ！」って送り出したんですけど、トライ出来なかったですね(笑)。

ーープレーオフに1位突破で行けますが？

　各地域のトップランクのチームと当たれるので楽しみですね。選手権で残念ながら負けてしまったので、どんなに頑張っても12月12日までしかこの仲間と出来ないので、少しでもレベルアップに繋がればいいなと思います。

ーー前回プレミアでやった年はどうでしたか？

　プレミアに居続けることが大事で、そこで青森山田も揉まれて強くなっていったので。青森山田も最初はJのチームにどうやって守って一発決めて勝ち点を取るかという戦いだったのが、今ではイニシアチブを握る戦いも出来るようになってますからね。守りだけじゃなくてこっちも攻める。表現は良くないかもしれないけど「華麗なボクサーも打たれ弱い」って事もあると思うので。

　去年のス―パープリンスでもセレッソやヴィッセルなんかとやっても打ちに行けば五分に出来る。前回のプレミアの時は前半守りに入ってしまって、後半自分たちの良さを出してやったら勝ち点も取れたんですが、最終的には降格になってしまったので。一度経験しているので今度はアグレッシブにやりたい。もう一度プレミアに行きたいですよね。必ず選手は伸びるし、そんな機会を彼ら自身が掴めかけているので、最後まで走り切れればいいなと。そういう事でいうと2試合残して優勝できたのは大きい。選手のコンディションを考えたり、層を厚くするためにゲームを出来るので。

ーー大阪を引っ張っていく上でも履正社と阪南大高にはプレミアに行ってもらわないとですよね？

　そうですね。阪南大高も凄くいいチームだし、そういうチームが全国で試合をいっぱいやって経験を増やさないといけないので。チームも経験しないといけないし、監督も経験しないといけないですから。プレミアリーグは毎週末全国大会が出来るわけですから、阪南大高と一緒にそういう経験が出来るといいですよね。

　(文・写真＝会田健司)