試合を見守る愛媛FC U-18北内耕成監督

　12月10日、広島県内で高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2021 プレーオフが開幕した。初日は1回戦6試合が3会場で実施。愛媛FC U-18(愛媛)は22分のDF浅井一希のゴールで先制すると、試合終了間際にはFW行友翔哉がFKから直接ゴールを決め2-0で旭川実(北海道)を退けた。

　勝利した愛媛FC U-18を率いる北内耕成監督は「1.2年生が主体という事で、参入戦に来るのが目標ではあったんですが、経験がない子ばっかりだったので、こういう苦しいゲームになるとは思っていたんですけど、その中でも耐えながら、自分たちがやりたいサッカーはまだまだ出せていないところはあるんですが、初戦という事で十分かなと思います」と初戦を乗り切り安堵の表情を浮かべ、試合を振り返った。

　守備時と攻撃時で立ち位置を変えている事に関しては「守備では4-4-2のブロックを作って、攻撃では4-1-4-1と前に枚数を掛ける使い分けをしているんですが、それを選手たちが徐々には出来るようになって来ているんですけど、もっと出せると思います」と説明。

　さらに「今日は中も通せるので、"なんとなく通ってしまう"となってしまっていました。そこを意図的に広げて突けるようになってくればいいんですけど、なんとなく通っているので、みんな"あ、入ちゃった"となっていると思います。それはハーフタイムに修正したんですけど、意図的に揺さぶって、距離感も近付いて来ればよくなると思う」と両サイドの選手が高い位置を取る事によって相手を広げて、中央を抜ける動きが見られたが、それをもう少し意図的にやれればと話した。

　1点目のCKからのゴールについては「CKも外に引っ張って、来なければショートをやってと使い分けていて、そこはトレーニングでもやっているので、それが発揮出来た」と話し、2点目のFW行友翔哉の直接FKについては「最後だけ仕事をしてくれました。彼はもっといいプレーが出来るんですが、欲を出さずに最後ああやって決めてくれたのは成長したかな」と2つのゴールシーンを振り返った。

　ほとんどの時間帯でペースを掴んでいる中で、試合終盤に相手にパワープレーを仕掛けられ、押し込まれる展開になったが「ロングボールを入れられるのが凄く苦手なシチュエーションなんですけど、よく耐えてくれたなと思います」とリーグ戦でも苦手にしていた展開を上手く乗り切った。

　「プリンスから始まって状態が上がってきている」という愛媛FC U-18の次戦の相手は静岡学園。同じテクニカルなサッカーをする強敵が相手となるが、「静学さんは攻守の速さもあるし、守備も凄く鍛えてきている」と上手いだけではなく、速さや強さもあると相手を警戒した北内監督は「ここで勝たないとプレミアに上がったとしても出来ないと思うので、胸を借りるというか、本当にもう真っ向勝負で行こうと思います」と一歩も引かずにぶつかっていくと意気込みを語った。

　(文・写真＝会田健司)