PKを決める鹿島学園MF鈴木仁也

 12月22日、プリンスリーグ関東 プレーオフ(参入戦)の決定戦が山梨県の押原公園グランドで行われた。鹿島学園 (茨城)vs関東一 (東京)は鹿島学園が6-1で関東一を下した。勝利した鹿島学園は来季のプリンス関東1部参入が決定した。

 この試合で2G2Aの活躍をみせた鹿島学園のMF鈴木仁也は「怪我をしていてやっとスタメンで出れて、身体の状態が上がってきたところなので、こういう風に2得点2アシストが出来て良かったです。選手権の県予選ではチームに迷惑をかけてしまったので、その恩返しが出来て良かったなと思います」と怪我から復帰できたことに安堵した。

 鈴木は選手権の県予選が始まる前に内側側副靭帯断裂という大けがを負ってしまった。大事な予選に出れず悔しい思いをしてきたが、プリンス関東1部昇格を決める大事な試合で大活躍。選手権開幕を目前にして鹿島学園に頼れる背番号10が帰ってきた。

 このプリンス関東参入戦では1回戦でヴァンフォーレ甲府U-18に1-0で勝利し、過密日程ということもあり、決定戦はサブ組で挑み流通経済大柏Bに0-2で敗れた。残る1枠を決めるこの試合に「昨日の試合を観ていて、サブの選手たちがめちゃくちゃ頑張っていたので、『サブの奴らがこんなに頑張っているのに俺らが頑張らんでどうすんねん!』という気持ちでした」と挑んだ鈴木。

 「前半は我慢して後半が勝負だとみんなで話していた」と鈴木が言うように、風下の前半は我慢の展開となった鹿島学園だが、後半は鈴木が躍動した。鈴木は前半にDF杉山のゴールをCKからアシストすると、後半にも鈴木のCKから競り合いでDF佐々木がPKを獲得。これを鈴木がしっかり落ち着いて沈めた。さらに76分には左サイドからのFKを直接サイドネットに流し込み、78分にはFW松村の華麗なボレーシュートのアシストも記録した。

 まだ鈴木の膝の周りにはテーピングが何重にも巻かれている。しかし、久しぶりに帰ってきた試合で鈴木は楽しそうに目を輝かせてプレーをしていた。終盤にベンチから「仁也大丈夫か?代わるか?」と心配の声が飛ぶも、鈴木は"まだまだやりたい!"と言わんばかりに「大丈夫です!」と返答。「凄く楽しかったです」と試合を振り返った鈴木は最後に「身体も上がってきたので、選手権でも頑張りたいです。僕は身長も小さいので大学からのオファーもなくて。。。だから"見返してやろう!"って思っています」と闘志を燃やした。

 鈴木が帰ってきたのは他にも怪我人を抱える鹿島学園にとっては大きな一歩だ。選手権でもピッチで目を輝かせて躍動する鈴木のプレーが見れるのか。注目の鹿島学園の初戦は12月31日、2回戦の高松商戦となっている。

 (文・写真=会田健司)

▽高円宮杯 JFA U−18サッカーリーグ2021プリンスリーグ関東 プレーオフ(参入戦)
高円宮杯 JFA U−18サッカーリーグ2021プリンスリーグ関東 プレーオフ(参入戦)