勝利後にコーチとグータッチする奈良育英の梶村卓監督

　12月29日、第100回全国高校サッカー選手権の1回戦2日目第2試合が味の素フィールド西が丘で行われ、奈良育英(奈良)は専大北上(岩手)と対戦。一時逆転を許すも、後半の3ゴールで専大北上を突き放し4-2で勝利した。奈良育英は31日に2回戦で阪南大高と対戦する。

　試合後、奈良育英の梶村卓監督は「試合前から厳しいゲームになる事は予想出来ていたんですけど、前半は本当に自分たちがやってきたことが出来ない不甲斐ない内容だったので、ハーフタイムに声を掛けて修正して、選手が頑張ってくれたので、この結果に繋がったのかなと思います」と試合を振り返った。

　「全国は10年ぶりという事で、今の選手は全国を経験していない状態で緊張があったので、積極的に出来るところが出来ていなかった。そこがうちの持ち味なのでそこに問題があった」と前半は緊張から持ち味の積極性が出せていなかったが、梶村監督がハーフタイムに修正したことが後半の逆転劇に繋がった。

　「前の動きが少なかったので、攻撃面で活性化させてくれることを期待して」と梶村監督はハーフタイムに2枚替えを敢行し、その交代出場のFW栂井相希とDF西尾駿の2選手がゴールという結果で期待に応えた。

　奈良育英は選手権の予選後にプリンス関西のプレーオフを戦った。そこで大阪学院大高に0-9と衝撃的な大敗を喫している。「すべてのベースが違う相手とやらせてもらって、自分たちの甘さを痛感しました。これまでやってきた事では足りない。すべてのベースを上げないといけないと再確認できました」と梶村監督は大敗を糧に意識を変えてこの大会に挑んだと明かした。

　「試合の入りのところで積極的に入れなかったので、一試合経験出来て次は積極的に入る事が大事だと思います」と梶村監督は次戦に向けてコメント。後半は見事な攻撃から得点を重ねた奈良育英。次戦の相手、阪南大高は試合開始から全力で来ることが予想され、この試合で出た課題、"試合の入りの積極性"をどこまで出せるかがポイントになりそうだ。

　(文・写真＝会田健司)