シュートを放つ奈良育英FW山尾星翔

　12月29日、第100回全国高校サッカー選手権の1回戦2日目第2試合が味の素フィールド西が丘で行われ、奈良育英(奈良)は専大北上(岩手)と対戦。一時逆転を許すも、後半の3ゴールで専大北上を突き放し4-2で勝利した。奈良育英は31日に2回戦で阪南大高と対戦する。

　試合後、奈良育英のFW山尾星翔は「先制したにも関わらず逆転されて厳しい試合だったんですが、勝ち切れてとても良かったです」と試合を振り返った。

　先制点は山尾の左足から生まれた。8分、奈良育英は自陣FKを前線に放り込むと、競り合いのこぼれを拾った山尾が一人抜け出し、ボックス内まで持ち込んでゴール右に流し込んだ。「絶対に点を決めて自分がチームを勝たせようと思っていた」と山尾はゴールシーンを振り返った。

　そこから専大北上の逆襲にされ、一時は逆転を許すも守備の修正をし、もう一度気持ちを立て直して、「自分たちが主導権を握ってやろう！」と言葉を掛け合ったという奈良育英は、山尾がMF岡本大生のゴールの起点になると、そこからさらに2ゴールを追加し見事に逆転し返した。

　山尾が前線で身体を張ってボールを収めることで奈良育英のほとんどの攻撃が始まった。味方も山尾が収めると信じて動き出し、2列目から飛び出すことで相手DFも対応出来ずゴールに繋がった。

　「今日の試合は守備が課題だったので、そこの部分をみんなでしっかり共通意識を持って修正したい」と次の試合に向けてコメントした山尾。2回戦では守備の修正を図った上で、攻撃面では山尾が起点となれるか。阪南大高戦も山尾の活躍が勝敗を分けることになりそうだ。

　(文・写真＝会田健司)