青森山田・黒田剛監督

 1月8日、第100回全国高校サッカー選手権の準決勝、高川学園(山口)対青森山田(青森)の一戦が国立競技場で行われた。試合は前半の3分に青森山田が先制すると、その後もゴールを重ね6-0で高川学園を下し、4大会連続で決勝進出を決めた。

 6-0と完勝した青森山田の黒田剛監督は試合後「今日のゲームに関しては“青森山田らしい戦いをしよう”ということがテーマだった。相手をリスペクトするのはもちろんだが、研究したものが頭に入りすぎて自分たちの試合を見失っていたのが過去の3試合を振り返った中での大きな反省点だった」と話し、「高川学園にはできるだけリスタートを与えず、CKも与えず、シュートも打たせずという本来我々が行なってきたサッカーをしっかりやっていこうということから入ったのが良かったと思う。中1日での決勝は疲労面も考えると大変だとは思うが、交代選手も多く使え、大きなケガもなく準決勝を終えられたことは良かったと思う。気持ちを引き締めながら決勝に向け準備したい」と続けた。

 高川学園のセットプレー対策については「いちばんはセットプレーの機会を与えないこと。CKは今日1本もなかったと思う。シュートを打たせないことも含めて、決定機を作られることなくやれたのは良かった」とコメント。

 4大会連続の決勝進出は、7日に亡くなられた小嶺忠敏監督が率いた国見高校以来ということに触れられると「小嶺先生に肩を並べたなんて自分では思っていない。教育者として、サッカーの指導者として全くブレることなく約50年、我々の素晴らしい見本となる方だった。それを見習いながら101回大会以降にもつなげていきたい。それが小嶺先生に対する感謝の気持ち」と語った。

 関東一の出場辞退について聞かれると「選手だけでなく、指導者、関係者含めて、この大会の在り方、この後の試合をどう戦っていくかなどメンタルの部分など難しいところもあった。ただ我々はこの1年を通して3冠を目指してやってきたし、学校関係者や保護者の方など多くの方々にお世話になっている感謝の気持ちを持って、自分たちが目指していたものを獲りにいこうということを改めて共有し、試合に臨んだ」と気持ち的にも難しい中での試合だったと話した。

 試合終了間際に、DF大戸太陽を途中出場させたことについては「この一年間、彼の存在なくしてインターハイ優勝やプレミアEASTの優勝はなかったと思うし、優勝に貢献してくれた選手。1分でも2分でも、チャンスがあれば国立の舞台でプレーさせてあげたかった。選手たちも彼のことを待っていたと思う」とコメントした。

▽第100回全国高校サッカー選手権
第100回全国高校サッカー選手権