尚志が5年ぶり3度目のV(写真=平野貴也)
第21回東北高等学校新人サッカー選手権大会は31日にJヴィレッジで決勝戦を行い、尚志(福島県第1代表)が5年ぶり3度目の優勝を飾った。仲村浩二監督は「(優勝候補の)青森山田がいなくて、周りから尚志が勝つと見られている中で、勝ち切ったことは評価できる」と選手を称えた。
東北6県から県大会上位の計16チームが集う大会だが、新型コロナウイルスのオミクロン株流行の状況を懸念し、4校が出場を辞退。第100回全国高校サッカー選手権を優勝した青森山田(青森県第1代表)のほか、同選手権に出場した羽黒(山形県第3代表)、仙台育英(宮城県第2代表)、さらに学法石川(福島県第2代表)と有力チームが不参加となった。
出場校の中では、2011年度、18年度と全国4強入りしている尚志が実績で上回る。優勝候補と目される中、準々決勝、準決勝はともに2-1で競り勝ち、決勝は完封勝利で力を見せつけた。指揮を執った梅津知巳コーチによれば、まだ2年チームと1年チームを混ぜたばかりだというが、攻撃面では、MF岡野楽央(2年)の中長距離パスやFW鈴木虎太郎(2年)のポストプレーを起点にサイドアタックを仕掛ける形が多く見られた。守備の中心を担ったDF山田一景(2年)は「あまり強くない学年と言われていたので、タイトルを取って自信を持って1年いけるようにと思っていたので、良かった。東北と言えば青森山田みたいに思われている。対戦できなかったのは残念」と全国王者を意識し、負けずに頂点を狙う東北の雄としてのプライドを感じさせた。
準優勝となった東北学院(宮城県第1代表)は、失点が決勝の1点のみ。地力の高さを示した。攻撃陣の駒が豊富で、シュートレンジの広い長身FW渡邉幸汰(2年)を起点に、快足FW野木夢翔(2年)やMF高橋竜馬(2年)のドリブルからゴールに迫った。最終ラインは180センチオーバーが2人と高さがあり、今後、セットプレーが武器になれば飛躍しそうだ。主将のDF佐藤春樹(2年)は「また聖和学園と仙台育英が決勝でやるのかというのは、もううんざり。今年は全国に行きたい」と県代表の座を奪いに行く姿勢を示した。
▽第21回東北高等学校新人サッカー選手権大会
第21回東北高等学校新人サッカー選手権大会