また、今大会では、まだ大きな実績のない新興勢力も、そのポテンシャルを見せつけた。4強入りしたノースアジア大学明桜(秋田県第1代表)は、長崎県の国見高校でコーチとして元日本代表FW大久保嘉人らを指導した経験を持つ原美彦監督が就任して5年目。20年度には全国大会に出場した。尚志との準決勝でも1点を返すなど健闘。継続的な強化の成果が見えてきた。主将のFW佐藤拓海(2年)は「主体性を持つ選手が増えてきたが、まだ改善面が多い。苦しいときにひっくり返せるようにトライしていきたい」と話した。今季は、プリンスリーグ東北に参入。1つ上がったステージで力をつけ、秋田の覇権を狙う。
もう一つの4強進出は、元日本代表MF柱谷哲二氏がテクニカルアドバイザーを務める花巻東(岩手県第1代表)。ヴェルディSS岩手から個人能力の高い選手が多く入学した世代が最終学年を迎える22年シーズンは、勝負の年。昨年10月末には人工芝グラウンドも完成するなど、強化の下地が整ってきている段階で、初の東北4強入りは、大きなステップになる。元Jリーガーの清水康也監督は「1年、2年(練習を)やるより、この3日間で肌で感じて成長してくれたと思う。これを次に生かさないと」と強豪相手の公式戦から得る学びの大きさを、さらなる成長につなげる必要性を強調した。
東北には、全国王者の青森山田、全国高校選手権で過去最多46回の出場を誇る秋田商業など様々な背景を持つチームがいる。4校不在は残念だったが、大会関係者の尽力による大会開催により、新たな勢力が成長のきっかけをつかむなど、東北勢が互いを高め合う貴重な機会となった。
(文・写真=平野貴也)
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▽第21回東北高等学校新人サッカー選手権大会
第21回東北高等学校新人サッカー選手権大会