神村学園の新一年生FW名和田我空

 高校No.1ストライカーの呼び声高いFW福田師王。そしてすでに2023シーズンのC大阪加入内定を決めているMF大迫塁の2枚看板で注目を集める神村学園。その神村学園の今後を背負っていくと期待されるのが新一年生のFW名和田我空(なわだ がく)だ。

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 U-15日本代表候補にも選ばれる名和田は、華麗なボールタッチとドリブルでの仕掛けが持ち味のアタッカー。味方を使う判断も出来、ゴール前に入るタイミングや位置も良くシュート精度も高い注目のプレイヤーだ。

 有村圭一郎監督も名和田について「状況を把握できているので、その瞬間その瞬間でしっかりプレーを選べる。トップチームでやっても遜色なくやれるし、チームの中心になっていく選手」と絶賛し、「ボランチに入っても捌けるし、前に入ってももちろんできる。チャンスメイクも出来ますし、ドリブルも持っているので、プレースタイル的にも三笘薫選手(ユニオン・サン=ジロワーズ)みたいになってくれれば」と期待を寄せる。

 名和田はこの春神村学園に入学予定の神村学園中の3年生だが、昨年のプリンスリーグにもすでに出場を果たし、九州新人大会の代替大会である2022 九州高等学校サッカー大会~九州はひとつ~で福田・大迫不在の中、背番号10を背負い堂々としたプレーを披露。左ウイングやボランチでゴールも決めてチームの優勝に大きく貢献した。

得意のドリブルで仕掛ける神村学園FW名和田我空

 そんな名和田だが、今大会では年上との対戦という事もあり当たり負けする場面も。本人も「中3でプリンスリーグに何度か出してもらって、フィジカルが課題と言われていました。そこは自分でも課題だと思っているので、しっかり鍛えて戦っていけるようにがんばりたい」と課題を自覚しウエイトトレーニングも行っている。

 第52回全国中学校サッカー大会では10ゴールで得点王を獲得し、名和田は全国制覇の立役者となった。しかし、「全中で優勝して自分の心の中では"まだまだだ!"と思っていたんですが、行動では慢心していたところがあって、最後の高円宮や入れ替え戦でも負けてしまって。そういうところは日常から隙だらけだった」と反省。「高校に入るので変わらないといけないし、新一年になる中でも自分がチームを引っ張って、日常面からも変えていきたい」と高校での成長を誓う。

 逆に「前向きで持った時の仕掛けやドリブル。ボールを持った状態なら全然やれる」と手応えも口にした名和田は「二人がいたら頼ってしまうので、二人がいないからこそ成長できるのでプラスに捉えている」と挑んだ今大会で、福田と大迫がいない中でも見事な活躍をみせた。

 名和田は昨年、選手権鹿児島予選の決勝をスタンドで応援した。そこで「全校応援のあの空気を自分も味わいたいと思ったし、あのピッチに立ちたいと本気で思いました」と感じ、「去年は凄く強かったのに全国大会の初戦で負けてしまったので『全国は甘くないな』と思った」と常に全国のレベルを意識したプレーを心掛けていると話す。

 「身長が大きくないのでフィジカル面での勝負は厳しい。トラップやパスなどの繊細さを常に求めて、将来はプレミアリーグなどの世界で活躍できる選手になりたい」と将来の夢についてコメントした名和田。高校最後の一年を迎えた福田と大迫、そして新しいスター候補の名和田。この3人が同じチームで活躍する今年は注目の一年になりそうだ。

【プロフィール】
所属チーム/神村学園中※神村学園進学
学年/中学3年
身長/170cm
体重/-
ポジション/FW.MF
生年月日/2006年7月29日
中学時所属チーム/神村学園中
代表歴/2021年 U-15日本代表候補

 (文・写真=会田健司)

▽2022 九州高等学校サッカー大会~九州はひとつ~
2022 九州高等学校サッカー大会~九州はひとつ~