ゴールを祝福される青森山田14番MF小野理竜

 3月17日から福岡県で開催されているサニックス杯ユースサッカー大会2022の2日目では、第100回全国高校サッカー選手権で優勝を遂げた青森山田(青森)と、同大会準優勝の大津(熊本)が対戦。選手権決勝と同カードとなった対決は青森山田が1-0で逃げ切り今大会初勝利を飾った。

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 この大津戦で決勝ゴールを決めたのがMF小野理竜(おの りろ)だ。小野は前半から積極的にボールに絡みチャンスを作ると、25分に先制ゴールを決める。「味方のシュートが自分のところにこぼれてきたので思い切ってシュートを打ちました。相手に当たったんですけどゴールに繋がって良かったです」とゴールシーンを振り返った。

 選手権の決勝でも対戦した大津との一戦という事で「やっぱり相手も青森山田ということで凄い勢いで来ると思っていたので、受ける側にならずに自分たちからどんどん仕掛ける」チャレンジャーの意識でこの試合に挑んだ。

青森山田14番MF小野理竜

 大会初日はJユース勢に2連敗と厳しいスタートを切っていた青森山田。小野は「Jユースと試合をやる機会があまりなかったので、相手のプレッシャーも強いし、技術も高かった」と相手のレベルの高さを痛感。「失点シーンを確認したんですが防げる失点で、自分たちのミスからだったので、一つ一つのプレーにもっと細かく神経を尖らせてやろう」とチーム内で意識を共有し修正。

 「部屋で筋トレや体幹だったり、出来ることをやって追い込んでいた」と小野が話すように、青森山田は積雪やコロナの影響で約2カ月の間チームでの活動が出来ていなかった事で、チームはまだ土台を作る段階だ。「まだチーム内で全然合わない事が多くて、そういうところは練習していけばこれから合ってくると思う」とチームとしても個人としてもレベルを上げていく。

 「それでも気持ちの部分で負けないように」と粘り強く守備でも貢献した小野。小野はRIP ACE(大阪)の3年時に遠征で青森山田の1年生と練習試合をしたのがきっかけで「厳しい環境で自分が通用するのか。日本トップレベルのチームでやりたい」と青森山田入りを決意。ボールを保持するスタイルの環境で育ち、自分に足りない部分を成長させるために敢えて厳しい環境を選んだ。

 「まだ全然足りないですが、守備の強度だったり走る部分は成長している」と自身でも成長を実感。この試合でもボールを取られた後の切り替えや、プレスバックなど守備でも貢献できるところをみせた小野は「去年が3冠ということでプレッシャーはありますが、この大会でも昨日に比べたら良くなっているし、試合を重ねてもっと良くなっていければ。インターハイ、プレミア、選手権で2連覇を目指したい」と意気込みを語った。

 去年からメンバーも大幅に変わり、厳しいスタートとなっている青森山田だが、それでも新チームは3冠王者としての看板を背負っている。これからの彼らの成長に期待したい。

【小野理竜プロフィール】
所属チーム/青森山田
学年/3年
身長/170cm
体重/65kg
ポジション/MF
中学時所属チーム/RIP ACE SC

 (文・写真=会田健司)

▽サニックス杯ユースサッカー大会2022
サニックス杯ユースサッカー大会2022