サニックス杯決勝で圧巻のハットトリックを達成したMF坂井駿也(サガン鳥栖U-18)

 大会連覇を狙う、去年のプレミアWEST王者の広島ユースとの決勝戦で圧巻のハットトリック。

 3月20日、サニックス杯ユースサッカー大会2022の決勝が行われ、サガン鳥栖U-18(佐賀)が予選リーグ4戦4勝のサンフレッチェ広島F.Cユース(広島)を6-1で退け優勝を果たした。この試合3ゴールでチームの優勝に大きく貢献したのが鳥栖U-18のMF坂井駿也だ。

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 坂井は今年トップチームに2種登録され、ルヴァンカップの札幌戦に背番号41番を付けて途中出場。各年代別日本代表にも選ばれ、チームでは1年時から出場機会を掴み活躍。そんな坂井にとって今年はトップ昇格へ向けて勝負の1年になる。その大事な1年のスタートの大会の決勝で坂井は見事な活躍をみせたのだ。

 まずは1-0と1点リードで迎えた10分、左サイドでMF楢原慶輝が起点を作ると、MF増崎康清が中央に流したボールに坂井が右足を振り抜き合わせた。「増崎が"シュートを打ってください"というようなパスをくれたので振り抜きました。練習でもあれだけ綺麗に飛ぶことは少ない(笑)」とペナルティアーク付近から強烈なシュートをゴール左上に突き刺した。

 そして4-0と大きくリードを広げて迎えた後半8分、ボックス内左深くに侵入した増崎からのマイナスのボールに、フリーでゴール前に走り込んだ坂井が「同じく増崎が"決めてください"というマイナスのボールを出してくれた」と右足で合わせ2ゴール目。

 そして極めつきが同28分、MF福井太智のパスを受けたFW鬼木健太がドリブルで縦に仕掛けると「足の速い鬼木がサイドでボールを持ったので突破できると思って」坂井は周りの選手の位置を確認しながら、鬼木が仕掛けると同時にゴール前に猛ダッシュ。「鬼木はクロスをめちゃくちゃ練習していたので良いボールが来ると自信を持って走り込んだ」と鬼木の早いクロスに倒れ込みながらも右足を合わせてゴールネットを揺らした。

トップチームに2種登録されている左からMF福井太智、MF楢原慶輝、MF坂井駿也(サガン鳥栖U-18)

 「3点とも味方が良いボールをくれたので感謝しかないです」と坂井はチームメイトに感謝。「大分練習しているのでそれが出せて良かったです」とハットトリックを喜んだ。インサイドハーフとして組み立てに参加しながら、「攻撃的なポジションをやらせてもらっているので、"ゴールで自分がチームを勝たせる!"と強い気持ちでプレーしている」とチャンスにはゴール前に必ず顔を出した坂井。

 「自信を持ってプレーしていれば結果も付いてくる」と話す坂井からは自信がみなぎっている。「自分含め福井や楢原もトップに帯同させてもらって、トップの強度も知った上でユースのトレーニングをやっているので、還元できるものだったり擦り合わせ出来るものが沢山出てきて。その上で他の選手たちが自分たちにも強く要求してくれるので、お互いに高め合いが出来ているんだと思います」その自信は普段から意識を高く持ってチームメイトたちと切磋琢磨しているところから生まれている。

 「今年は一人一人の個性が強いので、みんなが要求できる環境でやれていますし、年齢も関係なく下からも言ってくれて押し上げてくれるので、新チームになって間もないですが、良いチームになって来ていると思います」と坂井が言うように新チームとは思えない完成度を今大会で披露した鳥栖U-18。

 いいスタートを切った坂井は「プレミアや全国制覇を達成しつつ、今年はトップ昇格がかかっている」と、チームとしてはプレミアリーグ初制覇や全国大会制覇、そして個人的にもトップ昇格を勝ち取るのが目標と先を見据えた。

 しかし先を見ながらも「でもそれを意識し過ぎず、一日一日成長していかないとそこへもたどり着けない」と、しっかり地に足をつけながら坂井は一歩一歩目標に向けて着実に歩みを進めていく。

 (文・写真=会田健司)

 【坂井駿也プロフィール】
所属チーム/サガン鳥栖U-18
学年/2年
身長/171cm
体重/64kg
生年月日/2004年04月16日
ポジション/MF
中学時所属チーム/ソレッソ熊本
代表歴/U-17日本代表.U-16日本代表.U-15日本代表

▽サニックス杯ユースサッカー大会2022
サニックス杯ユースサッカー大会2022