DF鈴木海音はU-23カタール代表戦で完封勝利に貢献(写真=JFA)

 ドバイカップU-23でU-21日本代表は、2戦目のU-23カタール代表に2-0で勝利し、2連勝を飾った。3月29日に優勝を懸けてU-23サウジアラビア代表との順位決定戦に臨む。

 U-23カタール戦でフル出場し、無失点に大きく貢献したCB鈴木海音(栃木SC/ジュビロ磐田U-18出身)は、「個人的な感想としては、一戦目に出られなかったのもあって、この2戦目で絶対にやってやろうという気持ちがありました」という。

 それでも「前半の入りから、相手の勢いを、自分含め後ろの選手が上手く弾き返せなかった印象があります。そこで自分とかが潰せていたらもっと楽に試合を運べていたのかなと。ひとつのプレーで試合が難しくなってしまうので、そこは最初からもっとクリアをはっきりするべきでした」など、口をついて出てくるのは反省の弁や課題ばかりだった。

 「相手がそこまで前にくるプレスじゃなかったので、自分含めCBがもうちょっと前に運んで味方に時間を作ってあげてパスを出せたら……」

 「ビルドアップでももっと縦を意識して、前線にもっと良いパスを供給する部分も全然まだできていない」

 「守備でも1対1が強いとか、空中戦に強いとかもあまり思っていなくて、もっとやらなきゃいけないという想いしかない」

 もっとも、そうした言葉の裏にあるのは、飽くなき向上心だ。

 U-15世代から日の丸のユニホームを着て国際舞台を経験してきた鈴木が、見据えるのは当然A代表での活躍だ。高い目標があるからこそ、いつまでも満足することはない。

 トレーニングパートナーとして帯同した昨夏の東京五輪で、大きな国際大会の雰囲気を味わい、吉田麻也(サンプドリア/名古屋グランパスU18出身)や冨安健洋(アーセナル/アビスパ福岡U-18出身)といったA代表でも活躍する先輩の姿に様々な刺激を受けたことも大きい。

 とりわけ同じCBの冨安には感銘を受けたという。

 「トレーニングは2週間くらいだったんですけど、毎日刺激を受けました。特に冨安選手が練習が終わった後に自主練をしていて一緒にやらせてもらった。ひとつのプレーに対するこだわりとか、練習が終わってもずっと集中力を保ったまま自主練に取り組んでいて、そういうサッカーに対する姿勢だったりとか(を学びました)。

 自分自身のやるべきことを冨安選手は分かっていると感じました。自分もこれをやらなきゃいけないと思った練習や、これをもっと伸ばそうという部分を、自分で感じるのもそうですけど、他の選手から刺激をもらう部分もそうですし、監督やコーチから求められる部分ももっと伸ばさなければいけないと思っています」

 現在所属している栃木SCでコンスタントにリーグ戦に出場することでもまた、多くの発見を得ている。

「去年もジュビロ磐田というクラブでの練習で学べるものはすごく多かったんですけど、今年試合に出ることで見える課題だったり、自分ができること、試合中に感じるものがある。試合後に映像を振り返ってこうだったなというシーンも出てくるので、それを練習で意識してみると、これできるようになったなと感じる場面が多い。そこはすごくプラスになっていると思います」

 充実感を語る鈴木は日々、トライ&エラーを繰り返し、成長しているのだ。