選手たちに指示を出す立正大淞南の南健司監督

 第12回PUMA CUP U-17 in SAKAIの決勝戦まで勝ち進み、京都サンガF.C. U-18(京都)にPK戦で敗れ惜しくも準優勝となった立正大淞南(島根)。

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 試合後、立正大淞南を率いる南健司監督は「戦うという部分では二重丸。ただ、奪ったボールを処理するところは低かった。だから結局DFラインの裏に蹴って無駄にロストして守備を繰り返したというのもあるし、前線に破壊力のある選手が揃っているから単調になってしまうというのもあるし、それが持ち味でもあるし、その中間をもっとやっていかないと。あれだけじゃ全国大会で勝ち進むことはできないし、守るだけじゃPK負けするし。奪ってからどうするかっていうのが一番の課題ですね。

 後半はストロングポイントを持っている選手の良さを少しは出せたけど、その回数を増やすためにもボールを奪った後の処理のところですね。前半は戦っているだけで、受けるだけ。それはサッカーではない。戦いになれば負けない自信はあるんですが、そこのクリエイティブさで違いを出せないといけない。技術的にもやろうとすることも、"ここは繋ぐぞ!"というメッセージを発せられるボールの持ち方が出来るとか、そういうところでもう1ランク上がらないといけない。まだシーズン最初なので今から積み上げて頑張って行こうと思います」と試合を振り返った。

 今大会では前線からの猛烈なプレッシングと怒涛の攻撃で対戦相手を飲み込むようなサッカーを展開した立正大淞南。南監督は「サッカーには二つの勇気がいるといつも生徒達には言っているんですが、一つは競り合いなどのぶつかりに行く勇気。もう一つは相手が2人で寄せてきた時に『二人同時に抜かれに来てくれた』と思える勇気。そこで『二人に囲まれた』と思うのではなく、二人が同時に抜かれに来てくれたと思えるメンタルを築き上げるのはやっぱり技術トレーニング。そこをもっと上げていきたいなと思います。そしたらもっと相手を飲み込める試合が出来ると思います。

 上手いだけの選手は沢山いるので破壊力のある選手を育てたい。うちには個性の強い選手が揃っているので、そこを前面に出した指導方針でずっとやっているし、破壊力がないと上の世界では通用しないので、上手いだけではなくてスピーディーで上手い選手だったり、そういう選手を育てていきたい」と、技術やメンタル面を向上させ、これからさらに相手を飲み込むようなサッカーを築き上げるつもりだ。

 最後に「元々最終ラインは強くて戦えるし安定しているので、あとは攻撃のランクをもう1ランク上げていかないといけないなと感じたし、生徒もそれを感じれた」と今大会の課題と収穫を口にした南監督。

 PUMA CUPで強烈なインパクトを残した黄色い戦士たち。今年も全国の舞台での躍進が期待される立正大淞南は4月2日に岡山学芸館とのプリンス中国開幕戦に挑む。

 (文・写真=会田健司)

▽第12回PUMA CUP U-17 in SAKAI
第12回PUMA CUP U-17 in SAKAI