U-17日本女子代表候補トレーニング風景(写真=西森彰)

 4月10日(日)、合宿最終日を迎えたなでしこジャパンと入れ替わるように、「リトルなでしこ」ことU-17日本女子代表の強化活動が、福島県内で始まった。

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 狩野倫久監督率いるチームは、先月に続いて、今年2度目の合宿となる。現在の目標は、この秋、インドで行われるFIFA U-17女子ワールドカップだ。

 狩野監督は、なでしこジャパンのコーチとして今年のAFC女子アジアカップ(3位)に帯同し、本大会の舞台でもあるインドを視察した。現地では、佐々木則夫女子委員長やなでしこジャパンの池田太監督ともコミュニケーションをとりながら、チーム作りに取り組んでいる。

 今回は、なでしこの合宿を終えた池田監督も佐々木委員長とともにリトルなでしこのトレーニングに加わると、声を出しながらボール回しなどのメニューを消化し、選手に刺激を与えていた。

 初日は、午前中になでしこジャパンの練習試合を客席から観戦し、その戦いぶりを見ながら、自分たちが目指す位置を再確認した。そして、夕方から全天候型のピッチで、練習を実施。ヨーヨーで心拍数を図るなどその選手のコンディションのチェックを行うとともに、体幹を含めたフィジカル強化メニューをレクチャーした。

 狩野監督は、中長期的な考え方で、選手の身体作りを推進している。この部分は、代表スケジュールというより、各選手の日常での取り組みが大きい。狩野監督は、選手だけでなく各所属チームの指導者に対しても、代表の基準を説明し、U-16代表時のデータなども提示しながら、現在地と目標がどこなのかをしっかりと話し合っている。

 また、トレーニング環境は各チームでバラバラだが、トレーニング器具がないチームや、グラウンドに集合してすぐに全体練習を開始するチームもある。器具の代用品を提案するとともに、ケガをしない、正確な扱い方なども伝えている。もちろん、こうした提案や話し合いを遠慮なくできるのは、日ごろから緊密な関係作りに取り組んでいるからこそ、だ。

 3月のキャンプでは、受験や期末試験の影響もあって、選手ごとに状態がまちまちだったが、まず順調な立ち上がりだろうか。期間中数回の練習試合が組まれていることもあり、軽めの調整でスタートするかに思われたが、練習後半にはクロスの練習など、実戦に向けたメニューも消化していた。

 このクロスの部分については、アジアカップでも日本の得失点両面でキーポイントになっていた箇所だ。狩野監督も「激しい攻防の中で、クロスに対してしっかりと守り、攻撃ではここから一瞬の隙を突いてゴールを奪えるかがカギになる」と口にする。得点力に長けた選手の多いチームだけに、サイド攻撃からチャンスを量産したい。

 U-17年代の選手は、10年後のなでしこジャパンを背負って立つ、士官候補生たちだ。このカテゴリーでの世界制覇を目指すだけでなく、フル代表へ進むために必要な要素を身につけ、成長していってもらいたい。

(文・写真=西森彰)

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