刀根山の6番MF小玉樹

 今では右足のキックが武器となっている小玉だが、それは小学校の時の苦い思いが関係している。当時スイーパーをやっていたという小玉は「自分のキック力の無さが失点に繋がる事が多かった」と自分の弱点認識し、「一人でやったり、友達を誘ったりして公園でひたすらキックの練習をしていました」と練習を重ねたことで、「中2ぐらいからキックが飛ぶようになってきて中3の頃には自分の武器に変わった」と弱点を自分の武器に変えていった。

 小玉は「自分は背も小さいので競り合いに勝てなくて、中々トップチームの試合にも絡めなかった」と昨年はセカンドチームでの日々が続いたが、「最後の方でトップチームに絡めるようになった」と自分の弱点を克服することで新チームではアンカーのポジションを掴んだ。

 自分たちの代になった事で「もっと自分を出してチームに働きかけたい」と去年までの消極的だった自分を変えたいと話す小玉。「自分たちはもっと出来るし、これで勝ち上がっていくのは厳しいと思うので、一人一人がもっと自信を持ってプレーしていきたい。上に行けば行くほど相手も強くなっていくので、自分たちの課題を一つでも少なくして勝負していきたい」とまだまだ課題も沢山ある中で、その課題と向き合っていく。

 弱点を武器に変えてきた小玉がこれからどんな成長をみせていくのか。小玉の右足のキックが局面を変える。そんなシーンが多くなれば、攻撃陣には優秀なアタッカーが揃っているだけに、刀根山の攻撃はさらに怖さを増すはずだ。

 (文・写真=会田健司)