正智深谷の選手たちは、小島時和監督から的確な判断を要求されている(写真=多田哲平)

 令和4年関東高校サッカー大会埼玉予選浦和南との接戦を制して準決勝に進出したのが、正智深谷だ。

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 浦和南戦では9分にMF佐藤瞭丞(3年)のゴールで先制すると、20分に同点ゴールを許しながらも、その後はロングボールを放り込んでくる相手に丁寧に対応。延長戦まで最少失点に抑え、PK戦の末に勝利を収めた。

 チームを率いる小島時和監督は、PK戦に突入するケースも想定し、準備を怠らなかったという。

 「PKになってもビビらないように準備はしていました。(GKの望月奎杜/2年は)練習でも良い感じで止めて、部員からも信頼が出てきているので、止めるんじゃないかなという気はしていました。ただ、望月もよく止めましたが、一発目の岩崎(佑槻/3年)が先制してスタートできて有利に立てたし、2本目の大事なところでキャプテン(小屋結世/3年)がしっかり決めてくれた。一人ひとりが責任を持って決めた結果、望月が2本目を止めたのだと思います」

 PK戦では4人全員が決め、守護神の望月が2本のキックをセーブしてみせた。ただし、延長戦を含めた100分で追加点を奪えなかったのは小さくない課題だ。

 正智深谷の理想は、良い粘り強い守備を前提としつつも、ボールを丁寧につなぎながらゲームを支配し、攻撃の起点を探っていく戦い方。しかし、この日は攻めどころをなかなか見つけられず、決定機が限られた。

 指揮官は「いつもならやられてしまうところをはね返して守備は頑張っていましたけど」と前置きしつつ、攻撃について反省を口にする。

 「安定してボールを運んで、支配率をあげないと。ボールを大事にして攻める起点を作らないといけない。練習でもそういうことをやっているんですけど、今日は怖がってチャレンジできていなかった。その点、(浦和)南高は徹底されていて選手に迷いがなかったですよね。うちは『こうだぞ、ああだぞ』という指示を聞きながらやっていた。主体的にしっかり判断していかないと良いサッカーになっていかない」

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