インハイ新潟予選連覇に燃える開志学園JSCサッカー部

 しかし、インターハイ出場への道のりは決して平坦なものではなく、苦しい戦いの連続。「特に厳しかったのはフィジカル的な面でした」と宮本監督。初戦となった3回戦の新潟第一戦から準決勝の帝京長岡戦までは中1日での試合が続き、決勝の日本文理戦は準決勝の翌日というハードなものだった。しかも冬は“豪雪”というイメージをお持ちの方も多いと思う新潟だが、開志学園JSCのある聖籠町はそれほど雪が降らない。その冬場に基礎体力をつける。

 勝ち抜くことができた要因は、その「基礎体力」と「チーム力」だという。「元々ウチは全寮制なので例年チームのまとまりは良いのですが、去年のチームは個の能力が高かったうえに、まとまりもあった。チームのスタイルに関しても4-3-3をやれば4-4-2もやりますし、引いて守ってカウンターというサッカーもできましたし、前からプレスをかけることもできました。“個性の強みを生かすのが特徴”というくらい、いろいろな戦い方もできましたね。それと先ほどもお話しした通り、やはりターンオーバーという形を取っても戦力が落ちなかった層の厚さは大きかったと思います。選手たちにも“11人だけで全部勝つことはできないよ”という話はしていたので、メンタリティも含め、その辺の準備をしっかりしてくれていた」と宮本監督は話す。

 チーム力の高さについては、旧チームからのレギュラーであり、現チームのキャプテンであるDF竹内皐樹も十分に理解しており「去年のチームは個々の能力が凄かった。個人でなんとかできる力を多くの選手が持っていた」と口にしている。また現チームの攻撃の要であるFW平嵩矢も「自分が3年になって、旧チームの偉大さを感じている。技術面の高さだったり層の厚さなど、県内屈指の実力を備えていたレベルの高いチームだったと思う」と語っている。

 さらに、チームの状態は試合を重ねるごとに上がっていったと言う。宮本監督は「やはりコロナ禍なのでインハイ予選前までにそれほど多くの試合数をこなせた訳ではありませんでした。そんな中で1試合1試合勝ち抜いていくごとに、チームもより自信を深め成長していきました」と手応えを感じていた。

 次回は準々決勝以降の戦いぶりなどについて紹介する。