桃山学院イレブン
堀監督が話したように、2点目や5点目のシーンでは見事な中央突破からゴールを奪った。中央の狭いスペースの中で選手たちの動きが連動し、少ないタッチで相手の逆を突いていった。
ますはしっかり止めることで顔を上げて相手と味方をみる。相手の逆を突いて味方が欲しいところに正確にパスを通す。これを連続させることでチャンスを作る。さらにゴールから逆算してやるべきプレーをチームで共有する。
「受け手と出しての合わせる作業がこの子達は楽しいんですね。逆を突けたかどうか。そういう部分で逃げずに相手を見て落ち着いてサッカーをしようと」
「クロスボールも当然大切なんですけど、全てがルーレットのように偶然のゴールというよりは、ゴールの答えを知っていてそこから逆算して今はどういう判断をするかというところを高校生のこの年代でもできれば面白い選手が出てくると思います」
「"止める、蹴る、運ぶ"のところに対して自分たちの常識を問うてみて、こちらがそこに新たな基準を示す。それに対して追求して反復してトレーニングしているので、この2年でこの子達は凄く伸びてきた。その基本的なことにこだわってやっています」
桃山学院が取り組んできた事を堀監督はそう説明した。
さらに「色んなタレントが伸びてきて、大阪も色んなチームがいますので、うちの良さが消されるチームもあるかと思うんですが、ボールを握れば自分たちのサッカーが出来るというところは子供たちと話し合ってここまでやってきました。失敗も沢山あるんですが、サッカーが楽しくなってまたトライしようという気持ちの原動力になるので、そこまで至ったら放っておいても勝手に自分たちで練習しますから。基準を示してあげられれば、こういうところでサッカーの楽しさをさらに知って、次のカテゴリーで活躍できる特別な選手がここから沢山出て来てくれればと思っています」と選手たちの今後にも期待した。
これで中央トーナメント2回戦に進出した桃山学院は8強入りをかけ次戦、東海大仰星と対戦する。
「次の東海大仰星さんは本当に強いチームですので、リーグも格上ですので、自分たちのやってきた事を自信もって戦っていけるように準備が出来たらと思っています」と次戦に向けて意気込んだ指揮官。
「"止める、蹴る、運ぶ"を追求できるか。どこまでこの冒険が出来るかわからないですが、頑張って行きたい」
桃山学院の冒険はまだまだ続く。
(文・写真=会田健司)
▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選
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