藤枝東との準決勝では先制ゴールを奪った(写真=多田哲平)
この日は本調子ではなかったという香川だが、そのドリブルは少なからず相手の脅威になっていた。香川は「僕はスピードがあるので、自分から仕掛けて相手に足を出させる。そして相手が出した足の逆にいく」とドリブル中の意識を言葉にする。
複数人に進路を塞がれても、その間を鋭く突破する姿は、まさに”切り込み隊長”だ。数的不利の状況でも「なぜか道が見えるんです」と笑う。飄々と語る香川だが、DFを抜き去るイメージが自然と湧いてくるあたりに、ドリブラーとしてのセンスを感じさせる。
松本安司監督からの期待も小さくない。現役時代は四日市中央工出身のFWで浦和レッズでもプレーした指揮官からは「彼は切れ味があって、2、3人キュキュキュッとかわしていける」と称賛を受ける。
藤枝明誠が決勝を突破し、全国の舞台に立つには、香川の活躍が不可欠だろう。
「自分がゴールして、明誠を全国に連れていきたいです」
藤枝明誠の切り込み隊長はその足で、チームを全国の舞台に導く覚悟だ。
(文・写真=多田哲平)
▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選
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