16大会ぶり2度目の全国出場を決めた磐田東(写真=多田哲平)

 その勢いのままに挑んだ決勝では、見事な堅守速攻を披露した。開始38秒でMF谷野暁希(3年)のゴールで先制すると、CBのDF森蓮太(3年)を中心とした守備陣が相手の反撃をはね返し続け、後半にはFW11徳増倭(2年)のゴールで加点。見事な試合運びだった。

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 「メディアのかたにはよく『下剋上』と書かれていましたけど、この決勝でその完成形が上手くできたんじゃないかと。あとは、今日負けたら静岡学園に勝った意味がないので、そこは生徒には言いました。いま間違いなく静岡学園が静岡でナンバーワンで、全国でもナンバーワンに近い。そういうチームに勝たせてもらったので、決勝戦は絶対に勝たなきゃいけないと」

 指揮官は、そんな、”激戦区”静岡を粘り強く勝ち抜いたチームを「素直」だと話し、今大会を振り返る。

 「みんな吸収力があるので、こちらからは自分で考えさせる問いかけを多くしています。基本的なチームコンセプトをベースに、あとは自分で見て判断して、と。そのへんの意識づけができてきた。そういう大会だったんじゃないかなと。やっぱり成功体験は大きいですね」

 もちろん全国に出ても、各都道府県の予選を勝ち抜いてきた強豪との対戦となる。それでも、この静岡県予選を勝ち抜いた経験が大きな自信となり、堂々とした戦いを見せてくれるはずだ。

 「今やろうとしているサッカーはまったく変える気はないです。ずっと格上とやってきて、どれだけボールを握れたかを整理したい。僕らは全国大会に出るのはこれで2回目なので、全国から見れば弱いチームに値すると思う。また強いチームとやっても、ボールを握って動かしながら突破できるような、そういうサッカーを、よく鍛えて、もう1ランク、2ランクステップアップさせたいなと思います」

 山田監督は、そう全国の舞台を見据えた。

(文・写真=多田哲平)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選