劇的な同点ゴールを決めたMF堀川直人(写真=多田哲平)
何度も何度もゴールに迫りながらネットを揺らせない。1点のビハインドが重くのしかかる。そんな前橋育英(群馬)を窮地から救ったのは、途中出場のMF堀川直人(3年)の右足だった。
0-1のビハインドで迎えた90+3分、敵陣左サイドでボールを持った堀川は、持ち前のスピードでキュッと中央へと切り込み右足を一閃。鮮やかな軌道を描いたシュートをゴール右上に突き刺した。チーム待望のゴールであり、2連敗中のチームに勝点1をもたらす大仕事だった。
「前回も途中出場で結果を残すことができなくて、今日はやってやろうという気持ちでした。最初のシュートで仕留められず少し焦りましたけど、このままでは終われないなと思って、最後シュートを決めることができました」
ピッチに立つまではベンチで「自分がシュートを決める画をしっかり描いていた」という。
『ゴラッソを決めてやる』
そんな想いが乗った、鮮烈なゴールだった。
「ボールを持った時はもうゴールしか見ていなかったです。左のインサイドでボールをもらってカットインして、コースを空けて打った。イメージどおりっちゃイメージどおりでしたね」
そんな堀川を山田耕介監督は「3本打って1本決めればヒーローだからね。そういう話はいつもしています。スピードがあって面白い選手ですよ」と称える。