ゴール後はベンチに駆け寄った(写真=多田哲平)

 ようやくトップチームで結果を残した堀川も、ここまでは苦難の連続だった。山田監督によれば「去年メンバー入りしそうだった」そうだが、度重なる怪我に苦しんだ。

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 1年の終わりに右足の半月板を損傷し、約4か月の離脱。ようやく回復して試合に絡めるようになったかと思えば、半年後に再び痛めて、またも長く戦列を離れることになった。

 「2回目の手術が決まった時にはもう絶望しかなくて……。ここからどう上がっていけるかも見えなかったです。本当に苦労しました」

 それでも今年の4月に復帰すると、徐々に立ち位置を高めて、トップチームに合流。そして今季途中にプレミアリーグのメンバーに登録されると、前節の横浜F・マリノスユース戦の途中から、ついに出番を得た。

 中学時代に坂戸ディプロマッツでプレーした頃には、すでに前橋育英への進学を志していた。選手権で見た前橋育英の戦いに惹かれたのだという。

 だからこそ今、その憧れのトップチームでトレーニングに励む日々は大きな経験になっている。「面白いサッカーで日々成長を感じられます。スピードという武器だけでなく、パス、見る位置というか戦術眼だったりとか、そういう技術が伸びている感じがあります」。

 もちろん、いつまでも切り札でいる気はない。先発への想いは当然強い。「まずはインターハイ(7月24日開幕)で自分がしっかり試合に絡めるようにして、勝負を決められるような選手になりたいです」と語る。

 「しっかり一発で仕留められて、チームに合ったプレーをできるように。特長をしっかり活かせないとスタメンは取れないと思うので、練習でやっていきたいと思います」

 上昇気流のごとく存在感を高める堀川は、そう言葉に力を込めた。

(文・写真=多田哲平)