昌平戦では2ゴールの活躍で東京Vユースを5試合ぶりの勝利に導いた(写真=多田哲平)

 東京ヴェルディユース(東京)の10番を背負うMF新鉄兵(3年)は、新たな武器を身につけようとしている。

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 7月16日に実施された高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2022 関東1部の第3節延期分・昌平(埼玉)戦を東京Vユースは2-0で制した。相手がひとり退場者を出したとはいえ、東京Vにとっては5試合ぶりの白星であり、ここまで無敗の相手を打ち破る会心の勝利だった。

 この試合で衝撃的なミドルシュート2発を決めて、勝利の立役者となったのが新だった。

 48分、敵陣中央でパスを受けた新は右足を強振。パワフルショットをゴール右上に叩き込み、チームに先制点をもたらす。

 さらに90+3分には、1点目と同じように敵陣ペナルティエリア前でボールを持ち、またも右足を一閃。強烈ミドルを今度はゴール右下に決め込み、2点目を決めた。

 2ゴールはいずれもパワー、コントロールともに素晴らしく、パーフェクトとも言えるミドルシュートだった。

 中後雅喜監督が「素晴らしいゴールだった。ああいうところで力を発揮するのが10番だと思うので、非常に良かった」と手放しに殊勲者を称えれば、敵将の藤島崇之監督までもが「あれは凄かった。もう枚数の問題じゃない」と舌を巻いた。

 新自身「自分でもビックリです」と言うスーパーゴールだった。

 「前半に同じような位置でボールを受けたシーンがあって、その時は縦に勝負して取られてしまった。1点目は、ボールを受けた時にそのシーンがよぎったから、相手が来るより先に打とうと思い切り振ったら、良いコースにいきました。2本目は1本目と同じイメージで打ちました。狙い通りでした」と振り返る。

 もともとミドルシュートは「そんなに得意ではなかった」という。それでも「ここ数試合は点が取れていなくて焦りがあった。コーチからもシュートの意識を上げろと言われていたので、ずっと考えていた」。そんなシュート意識の高さから生まれた2発だった。

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▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2022 関東1部
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