強烈なミドルシュートを叩き込んだ(写真=多田哲平)
新の意識を変えた一因が、今年から名門の10番を背負う責任である。
「これまでは、ヴェルディは崩しの練習を重視するから、どうしても崩し切ることに意識がいきがちでした。監督からは『別にそれがすべてじゃないから、遠目から打つのも持たないといけないと』と言われてきました。特に自分はずっとこのチームでやってきていて、割とそのシュートの意識が他のチームの選手より薄かったと思う。
それに去年までだったら、点が取れていなくてもあまり焦りはなかったですけど、今年は10番だから、結果を出さないといけないという焦りや不安がある。でもだからこそ、より意識を高く持てている。プレッシャーを良い方向に持っていけています」
そう話す10番について中後監督は、頼もしさを語りつつ、さらなる期待をかけている。
「だいぶタフになってきている。去年の1年でだいぶ成長してきて、最終学年で10番を背負った。たぶんそのプレッシャーがあるなかで、やれることは増えてきているなと。ボールを収めたり、今日も結果を出しましたけど、そういうプラスアルファがさらに出てくればいいですね。ただやっぱりボールを保持する、チームを落ち着かせる、チャンスメイクするというところも含めて、だいぶ良くはなっているけど、まだまだ足りないですね」
期待が大きいからこその、高い要求。新も「まだまだ」だと自覚する。
「今日の2ゴールは良かったので、この意識を忘れずに、より相手を見てサッカーをできるようにもっと日々練習から頑張っていきたいです」
名門の10番により相応しいプレーヤーに。新は日々、プレーの幅を広げながら進化を続けている。
(文・写真=多田哲平)
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