昌平の攻撃を牽引するMF篠田翼(写真=多田哲平)

 抜群のクイックネスを活かして切れ味鋭く守備網を突破し、決定的な仕事を連発する。昨年はU-16日本代表候補に選ばれ、今年はU-17日本高校選抜に名を連ねた。埼玉の強豪・昌平の攻撃の一翼を担う篠田翼(3年)は、世代屈指のドリブラーだ。

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 低重心で繰り出されるそのドリブルはテクニカルでありながらスピード感に溢れ、さらに相手に当たられてもブレない力強さがある。憧れと話すのは、ベルギー代表のエデン・アザール(レアル・マドリード)。「DFやラインのスレスレを抜けて、相手の前にグイッと入っていくところを参考にしている」という。

 そんな篠田は、昨年からここぞという勝負どころでのゴールを増やしている。今年6月のインターハイ予選決勝の東京成徳大深谷戦(2-1)では鋭いドリブルでチャンスの起点となり、最後は自らこぼれ球を押し込んで先制ゴールを決めた。

 ところが全国大会前最後の公式戦となった高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2022 関東1部の3節延期分・東京ヴェルディユース戦(0-2)では無得点に終わり、チームを勝利に導くことができなかった。前半終了間際に1人退場者を出したチーム事情はあったが、それでも篠田は「自分に責任がある」と反省の弁を述べる。

 「1人いなかったというのは言い訳。もっと自分がもっとチームを引っ張っていけるようにしないといけない。

 綺麗に抜き去ろうとするのが自分の悪い癖。仕掛けるまでは良かったけど、なかなか推進できず全然シュートを打てなかった。最近は相手を1枚かわしてシュートするとか、点を取る意識を高く持っていたけど、今日は悪い癖が出てしまいました。

 自分はゴールを取るのが仕事。それができなかったのが、チームの敗因です」

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▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2022 関東1部
高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2022 関東1部