聖和学園は冬でのリベンジを期す(写真＝多田哲平)

　魅惑のサッカーで日本一を取るという大目標は変わらない。1回戦では立正大淞南(島根)をPK戦(2-2,PK戦3-2)の末に下し、2回戦では札幌光星(北海道)に3-2で競り勝った。少なくとも全国で2勝を挙げたことで、「前橋育英にはまったく通用しなかったですけど、他の2チームにはある程度は通用した」と手応えを感じているし、前橋育英戦を通じて「厳しさは分かったなかで、まだ成長できる」と伸びしろがあることも実感できた。

【マッチレポート】前橋育英 vs 聖和学園

　そんなチームにとって、ディフェンスリーダーでもある小野の成長が、さらなるスケールアップのポイントだ。

　攻撃的なチームだからこそ、守備陣の安定感が肝になる。それは小野も自覚している。

　「自分が守備を頑張ることで仲間に余裕ができたり、仲間が絶対に点を取ってくると思っているので、そこで本当にゼロでおさえてあげないとという想いがまだまだあります」

　小野は今大会を通じて「自分の技術がまだまだ足りないなというのがあって、手応えはあまり感じられなかった」と厳しく自己評価。「ゴール前で自分のシュートブロックがまったく当たらなくて、今日(前橋育英戦)も2失点してしまっている。ゴール前でもっと距離を詰められるようにならないと。仲間が点を取ってもどうしても失点して苦しい試合になってしまうので、チームとしてゼロ失点にこだわるように、自分がもう1個成長しないといけない」と反省を語る。

　冬のリベンジへ。聖和学園の、そして小野のチャレンジはまだ続く。

(文・写真＝多田哲平)