優勝を噛みしめる指揮官(写真=会田健司)

 この値千金弾を導いたのは、山田監督の采配であり、信頼だったのかもしれない。準決勝までの4試合はいずれでも、山田監督は高足を後半途中に交代しているのだが、この決勝は最後までピッチに立たせているのである。

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 偶然か、それとも長年の経験から来る嗅覚か。いずれにしても、この指揮官が10番に信頼を置き、ピッチに残したのは確かだ。

 指揮官は高足について、試合後にこう語っている。

 「2回か3回くらい決定的なチャンスがあって(決めきれなかった)。それでもブレイクタイムで『いや、大丈夫だ。3回決定的なチャンスを外しても1回決めればいいんだから。もう1回、絶対あるから』と伝えた」

 大舞台で値千金の決勝ゴールを決めた高足の勝負強さも圧巻だったが、その大仕事を呼び込んだ指揮官の采配もまた見事だった。

 そんな指揮官、今後に向けて「前回インターハイで優勝させてもらった2009年は、そのあと選手権で1回戦負けだった。なので、もうバシッとやらないと。これからもう1回引き締めてやっていきたいなと思います」と意気込んでいる。

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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