市立船橋戦では鮮烈な一発を決めた(写真=多田哲平)
必要なのは『圧倒的な個の力』。山本は言う。
「来年から厳しいプロの世界に入るので、このプレミアリーグで普通の選手と同じプレーをしていてはダメだなと。プレミアもすごくレベルの高いリーグだけど、それでも1個、2個自分で崩したり、確実にゴールを決め切らないと。自分が試合を決めるという意識は、もちろん昔からありましたけど、まだまだ足りない。プロの世界では圧倒的な個の力が必要になると思うので、そこはより意識するようになっています」
ただ一方で、自分本位になりすぎれば周りを見る余裕がなくなるのも理解している。山本が目指す『圧倒的な個』というのは独力で突破して決め切るだけでなく、味方を上手く活かすこともできるオールラウンダーである。自ら仕掛ける局面なのか、周りを使うべきなのか、そのバランス感覚が今の課題だ。
「『頭は冷静に、心は熱く』とよく藤田(優人)コーチから言われていますが、まさにそこが自分の課題。気持ちが盛り上がると、ゴール前で冷静でなくなってしまう。調子が良い時はドリブルでグイグイいけて、周りもよく見えているんです。ただ1-0とか0-0とかスコアによっては自分で行き過ぎて周りが見えなくなってしまう。そういうスコアとかに状況に関係なく、上手く局面を見極められれば、もっとゴールを決められると思う」
昇格内定が発表された9月20日から5日後、25日の市立船橋戦(1-1)では、鮮やかなシュートで先制点を奪ったものの、1-1で迎えた後半はチャンスを決め切れないシーンが続いた。『俺が決めないと』、そんな想いが強すぎたのだと反省する。
「後半もチャンスはあったので、そこで自分が決め切ってチームを勝たせられたら良かったんですけど、1回目のチャンスは自分の判断ミス、2回目も迷いがあって振り抜けなかった。焦りが結構あって冷静に判断できなかったです」
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