実践学園DF百瀬健(写真＝多田哲平)

　また、ある人との縁も大きなモチベーションにつながっている。今大会の応援リーダーを務める中村俊輔だ。

　「小学校時代のチームメイトのお父さんが俊輔さんで、すごく仲良くしてもらっていたんです。送り迎えの車に乗せてもらったり、ご飯に連れていってもらったり、家で遊ばせてもらったり。年末のオフシーズンの時には一緒にボールを蹴らせてももらいました」

　そんな百瀬のFKは、その中村俊輔直伝だ。

　「カーブをかけるために足をどこから入れるとか、その角度とか、すごく細かく教えてもらいました。その蹴り方を教えてもらってから、めちゃくちゃ入るようになったんですよ。それをこの大会で出せたらいいなと思っています。しかも俊輔さんに教えてもらってポジショニングとか細かいところにこだわれるようになったし、本当に良くしてもらった。だからその分、結果で応えて恩返しをしたいし、そのためにも全国に出たいなと。解説の俊輔さんに名前を呼んでもらえたら最高ですよね」

　自身の夢、支えてくれる人の期待、子どもたちの希望――様々な想いを力に変えて、百瀬は全国出場をかけて決勝の舞台に立つ。

(文・写真＝多田哲平)