東海大高輪台戦では先発出場し、献身的に働いた(写真=多田哲平)
「プロサッカー選手になることが僕の夢だけど、小さい頃は口にできたその夢が、今は現実を見ているからあまり言えなくなってきている。でも心を動かしてもらえる理想像は変わらない。僕は足も速くないし、背も小さくて、これといった特徴がないけど、試合が終わった時に『あの10番が一番記憶に残っているな』と言ってもらえるような選手になりたい。それはずっと心掛けている」
そう思うようになったきっかけが、他ならぬ選手権という舞台だったという。
「小中学生の頃から見ていました。神奈川出身なのでニッパツの県予選は、小中の時のコーチと一緒にいつも行っていましたね。今日(準決勝)はそのコーチが子どもたちを連れてきてくれていて、試合中にそれが見えた時にはめちゃくちゃ震えました。
僕が小さい頃に見させてもらった夢を今度は子どもたちに与えるチャンス。サッカー選手になんでなりたいかって言うと、選手権で自分が感じさせてもらったものが本当に大きいんです。手を振ってくれる子どもたちを見ると、それが集中力になるし、気持ちが昂ってきます」
▽第101回全国高校サッカー選手権東京予選
第101回全国高校サッカー選手権東京予選