選手たちに胴上げされる履正社の平野監督(写真=会田健司)

 いい環境で強い相手と試合をすることが成長につながる。

 平野監督はこのような言葉をよく口にする。今年のインターハイの全国大会では2回戦で神村学園と対戦し勝利したものの、3回戦で湘南工大附(神奈川)にPK戦で敗れた。猛暑の中の3連戦の最終日。ここで勝てば一日休息が与えられ、またリフレッシュして強い相手と戦える。

 「選手たちにまだ試合をやらせてあげたかった」3回戦敗退が決まり、指揮官は勝ち進めなかった事よりも、選手たちが成長できる試合数が減ってしまったことを嘆いていた。大会直前にコンディションを崩した選手もいたため、万全の状態で試合をやらせてあげたかったという想いもあったのだろう。

 昨年、プレミアリーグ昇格を勝ち取り、「毎週末が全国大会」と高いレベルの試合が出来ることを何よりも喜んでいた平野監督。今年はそのプレミアリーグを戦い選手たちは成長。MF名願は川崎F、DF西坂斗和は徳島にそれぞれ内定を勝ち取り、そしてインターハイと選手権の両方で大阪王者に輝いた。

 激戦区の大阪で3年連続決勝進出。そして2度の優勝。これはいい環境で強い相手と試合することで選手たちが成長してきた証だ。

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第101回全国高校サッカー選手権大阪予選
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