大津のMF田原瑠衣(写真=矢島公彦)

 MF田原瑠衣(3年)にとっては、悔しさが残る結末となったが、それでもこの10番は確かな足跡を残した。

 昨年準優勝の大津(熊本)は第101回全国高校サッカー選手権の準決勝で、東山(京都)にPK戦の末に敗れ、2年連続での決勝進出を逃した。

【フォトギャラリー】大津 vs 東山

 右サイドハーフのレギュラー田原は今大会を通して無得点。「大津が主役になるイメージがあった。そこで自分が結果を出して、優勝する大会にしようと思っていた」というこのMFに、心残りがないはずはない。

 「2回戦(初戦)はPK戦でしたけど、最後のアディショナルタイムでの中馬(颯太)のゴールがなかったら勝てなかった。それにキーパーの(西)星哉が止めてくれなかったら、ここまで来られていない。彼らの活躍があるから今この場にいられる。本当に仲間に感謝したいです。ただ自分としては何も結果を出せなかったので、すごく悔しい想いがあります」

 仲間への想いとともに、自身の反省を口にする田原だが、巧みなテクニックはやはり見る者を惹きつけた。決定的な仕事こそ少なかったが、相手のプレスを上手く剥がしながら局面を打開する技術力の高さをうかがわせた。

【次のページ】 大津のナンバー10田原瑠衣が残した確かな足跡「少しは夢を与えられたのかなと」(2)

▽第101回全国高校サッカー選手権
第101回全国高校サッカー選手権