西丸は今大会2得点(写真=矢島公彦)
「中学の時から大きい舞台や強い相手になると腰が引けてしまうところがあって……。でも中3の時に先輩の(大迫)塁さんとか師王さんがどんな相手にも仕掛けていく姿を見て、自分も強気で戦おうと思えた。高校1年からはそこを気にかけながらトレーニングしてきて、この大会ではその成長が示せたのかなと思います」
献身的なチェイシングが真骨頂の西丸が、そのスタイルになったきっかけもこの先輩だった。
「塁さんや師王さんには中1の時から面倒を見てもらったんです。ここまでずっと可愛がってもらって。自分が頑張って走るひとつの理由が、その先輩に恩返しするということもあって」
同じFWである福田から受けた刺激はとりわけ大きい。
「同じポジションに福田師王という人がいて、いつも僕のゴールは師王さんだった。でも、あの人はいつも遠い存在で、いつも自分はまだまだだなと。それが刺激になって、帰ろうかなと思う日も追い付きたい一心で練習してきた。本当に彼の存在は大きかったです」
だからこそ、福田の代わりにチームを引っ張る自覚は強い。
「師王さんからも言われていました、『FWがチームを勝たせるんだ。来年はお前だぞ』って。彼と一緒にプレーしているなかで自分が勝負を決める自覚は持つようにしていた。ここから結果で示していくので見ていてください」
福田が成し遂げられなかった悲願を成し遂げられるか。西丸は「卒業した3年生の想いをしっかり受け継いで、彼らがまた違う形で幸せになれるようにやっていきたい」と決意を示した。
(文=多田哲平、写真=矢島公彦)
▽第101回全国高校サッカー選手権
第101回全国高校サッカー選手権