岡山学芸館は見事に初優勝を遂げた(写真=矢島公彦)
チームを大きく作り替えたわけではない。それでも、この名伯楽は気の利いた言葉でチームに活力と知性を加えた。ミーティング後などのちょっとした時間に選手を呼んで、一言か二言ばかりの助言を授ける姿が印象的だ。
そんな平氏が強調したのが、「強さ」へのこだわり。それを今年のチームに落とし込んできた。
「上手いだけのチームでは途中で負ける。上手くて強いチームじゃないと優勝はできない」
長年の指導経験で得た、その「強さ」の重要性をチームに説いた。
「この子たちは初めは上手いだけだった。でも夏以降に力強さが加わった。体力もついて、コンタクトで負けなくなって、1試合ごとに強いチームに変化していった。
この大会中も『強いチームになったぞ』とおだてたんですよ。高校生は褒めたら顔色が変わるし、顔が上がってくる。素直ですからね。彼らも『俺たちは強いんだ』という気持ちになって、プラスアルファの力が毎試合出た」
平アドバイザーの教えで、岡山学芸館は逞しさを増し、見事に日本一に輝いた。
(文=多田哲平、写真=矢島公彦)
▽第101回全国高校サッカー選手権
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