昌平の長兄弟、左が弟の璃喜、右が兄の準喜(写真=会田健司)

 3月12日、J-GREEN堺でBlue Wave SPECIAL BOUT ECLOGA 2023 大阪 春の陣の決勝が行われ、昌平が神村学園を3-1で下し見事に優勝を果たした。

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 静岡学園神村学園興國昌平とテクニックに定評のある4チームの強豪が大阪に集まり行われたフェスティバル。この大会を制した昌平は2試合を戦い、一回戦の興國戦では兄のMF長準喜(おさ じゅんき/2年)、決勝の神村学園戦では弟のMF長璃喜(おさ りゅうき/中3)と、兄弟がそれぞれMOMを獲得した。

昌平の10番を背負うMF長準喜(写真=会田健司)

 4月から3年になる兄の準喜は、FC東京入りしたMF荒井悠汰から背番号10を受け継ぎチームの攻撃を引っ張る。その準喜は「須藤(直輝)君、(荒井)悠汰と二人とも鹿島、FC東京とプロに行ってるのでプレッシャーがヤバいです」と昌平の10番を背負う事への重圧を口にした。

 「悠汰からも『お前しかいない』と言葉をもらった」と、憧れの選手である荒井から背番号と共に「点には貪欲に」とゴールを決めることを託され、意識も変わった。ポジションもボランチからトップ下に変わり、ゴールやアシストが求められ「振り切ることとシュートで終わることを意識している」と、今大会では積極的にシュートを放ち、興國戦では見事に2ゴールを決めた。

 「プレミアを戦うからには優勝を目指していますし、今年は本当に優勝を狙えるチームだと思っている」と手応えを口にした準喜。「両サイドもボランチもDFも上手い選手が揃っているので、技術力で他のチームを圧倒したい」。技術の高い選手が揃っているからこそ、「同点ゴールや逆転ゴールが多くて、チームを救ってくれる」荒井のようにチームが苦しい時に頼れる10番になることを自分に課し、高卒J1入りを見据える。

昌平MF長璃喜(FC LAVIDA/中3)(写真=会田健司)

 そして決勝の神村学園戦では弟の璃喜(FC LAVIDA/中3)が得意のドリブルで躍動し、チーム2点目となる決勝点も決める活躍。「前半はあまりシュートが打てなくて、後半はシュートを狙っていこうと考えていた」とゴールを狙っていたが、53分の決定機ではシュートをクロスバーに弾かれてしまった。しかし、そこで手応えを掴んだことで直後のゴラッソに繋がった。

 54分、「みんながあそこまでボールを繋いでくれた」左サイドでパスを受けるとドリブルでカットイン。対面したDFを次々と内側にかわしていくと、最後は右足を振り抜きゴール左にシュートを突き刺した。

 昨年8月に同じ4チームで行われたユースワールドチャレンジ・プレ大会 2022にもチームに帯同した璃喜だったが、まだチームにも馴染めていなかったこともあり大きなインパクトを残すことは出来なかった。しかし、今年の1月から本格的に昌平に合流したことで、今大会ではスタメンの座を勝ち取ると本来の力を発揮した。

MOMを獲得した昌平MF長璃喜(FC LAVIDA/中3)(写真=会田健司)

 本人が「自信が持てなくて、メンタルが課題」と話すように試合前は不安の方が大きいが、一度スイッチが入れば止められないドリブルをみせる璃喜。

 「お兄ちゃんには負けたくない」と兄にライバル心を燃やすが、「一緒にインターハイも選手権も優勝したい」と2歳差ということもあり昌平で一緒にプレーできるこの1年への意気込みを口にした。

 歳もチームでの立ち位置も違うが、お互いをライバルと呼ぶ兄弟。それでも同じところを目指す二人が昌平を日本一に導く。

 (文・写真=会田健司)

▽Blue Wave SPECIAL BOUT ECLOGA 2023 大阪 春の陣
Blue Wave SPECIAL BOUT ECLOGA 2023 大阪 春の陣