長崎日大戦では2得点を挙げた(写真=多田哲平)

 郭原の主戦場がFWになったのは昨年10月の新チーム発足から。昨年まではサイドハーフやSBを任されることが多かったというが、今は中学時代のJSC SAKAI(大阪)で磨いた個人技と三重入学後に培った抜け出しを最前線で存分に発揮している。

【マッチレポート】長崎日大 vs 三重

 今はストライカーとして「ガンガン点を取って、チームに貢献したい」と意気軒高。「大事な時に点を取って、チームが上手くいっていない時でもひとりで打開できる選手」が理想のFW像だ。

 もっとも、そんな郭原の特筆すべき点は圧巻の打開力だけではない。チームメイトを巻き込むキャプテンシーが並外れているのである。

 三重における郭原という存在の大きさは、德地俊彦監督のコメントから伝わってくる。

 「夏輝(郭原)が引っ張ってくれて、チームの刺激になって、他の選手も調子を上げてくれる。この大会でも、夜のミーティングでも、練習試合でも、『郭原よりも表現したい』『郭原より声を出したい』とか、『俺もいるんだ』という姿勢を僕らは求めている。夏輝もチームメイトに『俺以上に来いよ』と言える、そういう男くさいところがあるキャプテンなんです」

 郭原自身もキャプテンについて「責任感はもちろんありますけど、引っ張っていくというよりはみんなの個性を上手く引き出したい。僕が背中で見せてみんなの気持ちを乗せることを意識しています」と話している。

 まさしくチームに不可欠な絶対的エース。今年の三重の躍進を左右するキーパーソンだ。

(文・写真=多田哲平)