試合を見つめる矢田竜之監督(写真=会田健司)

 矢田竜之監督が「鵬翔さんが力強く前に来るチームなので、その勢いを止めるのに必死でした」と試合序盤を振り返ったように、序盤は鵬翔ペース。関大北陽の高いラインの裏を狙い攻め込み、高野のロングシュートで先制した後も追加点を狙い押し込んだ。

 しかし、上手くいかない展開でも関大北陽イレブンに焦りはなかった。「相手のシュートがスーパーだったので仕方ない」「負けている気はしていなかった」とパニックに陥ることなく冷静に流れを把握。「早めにダウンしてボランチの位置を少し下げて、と自分たちで修正してくれました。そこは成長してくれたところですね」と指揮官もそんな選手たちの成長に目を細める。

 2月に行われた近畿大会で関大北陽は準決勝で履正社と対戦。その試合でも先制される展開で44分に同点に追いつく。しかもその直前に履正社は退場者を出し、そのファウルで獲得したFKから同点に追いつき、優位に立っていた。「履正社は試合の状況に合わせて臨機応変に対応出来ていて10人のサッカーに切り替えて、残り30分くらいあった中で僕たちは11人で崩し切れなかった。そこにサッカーIQの差を感じた」とはキャプテンのMF田中悠矢(新3年)。

 「どうやって崩すのか正解がわからないままプレーしていて、周りに声も掛けられていなかった」と田中はその時を振り返る。結局、残り時間を履正社に10人で守り切られ、PK戦で敗れることになった。この試合がキッカケになり、その後はより内容を追及して練習を積んだ。

 そして静岡遠征を経て迎えたこのPUMA CUP。予選から3試合で18ゴールを積み上げると、決勝でも東村が3ゴールを決め、見事な攻撃力を披露した。

【次のページ】 4戦21ゴールでPUMA CUP初制覇を果たした関大北陽...指揮官が語った点が取れるようになった秘訣とは(3)

▽第13回PUMA CUP U-17 in SAKAI
第13回PUMA CUP U-17 in SAKAI