キャプテンMF田中悠矢(写真=会田健司)

 カウンターの鋭さと左サイドの田中の突破力がこのチームのストロングだが、それだけではここまでの攻撃力には辿り着かない。矢田監督は「サイドが持った時に信頼してゴール前に入れるようになってきた」と感じている。クロスが上がっても、ボックスに枚数が足りなければ得点率も落ちてしまう。逆にボックスに人数をかけて入って行っても、その前にサイドでボールを奪わてしまえばカウンターをくらってしまう。

 それでも中の選手たちがカウンターを恐れず、仲間を信じてゴール前を目指す。「"絶対に(クロスを)上げてくれる"という信頼が推進力になってフィットしてきた」これによって関大北陽の攻撃力はパワーアップし、今大会の大量得点に繋がったのだ。

 さらに矢田監督が「田中悠矢の左サイドが(相手が)1枚ならいなせるというのが大きい。ニアに速いボール、ファーに柔らかいボールとクロスの球種も増えてきた」と田中を評すれば、東村についても「去年から10番を背負って試合に出ている子で、人一倍練習も頑張ってきて、積み上げてきたことで結果が出て、彼も自信を掴んでくれた。今大会は7ゴール、近畿大会も含めて取って欲しいところで取ってくれるようになってきたので頼もしい存在」と個人のレベルアップも大きな要因だ。

【次のページ】 4戦21ゴールでPUMA CUP初制覇を果たした関大北陽...指揮官が語った点が取れるようになった秘訣とは(4)

▽第13回PUMA CUP U-17 in SAKAI
第13回PUMA CUP U-17 in SAKAI