準決勝までの4試合すべてで完封に貢献(写真=多田哲平)

 身長は180センチ弱とCBとしては決して大柄とは言えないが、身体は筋肉質で、守備の仕方は頭脳的。

【マッチレポート】修徳 vs 駒澤大学高等学校

 「僕はあまり身長が大きいタイプじゃなくて難しい点はありますけど、それでも負けないようには戦える。相手が大きい時は初めからファウルにならない程度に体を当てて体勢を崩させたり、ヘディングの時は先に飛んだりとか工夫しています。もちろん気持ちの部分でもチームで一番戦うことは心掛けています」と山口は言う。

 理想とするのはアルゼンチン代表リサンドロ・マルティネス(マンチェスター・ユナイテッド)と元イタリア代表ファビオ・カンナバーロだ。

 「リサンドロ・マルティネスは身長が同じで参考にすることは多いです。競り合いに勝つというよりは負けないような対応が上手くてプレミアリーグで活躍しているし、ビルドアップがめちゃくちゃ上手い。ファビオ・カンナバーロは身長が低いけどヘディングがめちゃくちゃ強い」

 そんなプレーモデルを語る山口だが、高校進学後は怪我に苦しんできた。修徳中の3年次の終わりに股関節のグロインペイン症候群を発症すると、1か月で治ったものの繰り返し再発し、1年間をほぼ棒に振った。

 高2の春には右足の内側じん帯を損傷し、これまた一時公式戦に戻ったが、冬の選手権前に再び同じ個所を痛めてしまう。ようやく本格復帰を果たしたのは高2の秋過ぎだった。

 それでも山口は怪我の時期を無駄にしなかった。不貞腐れることなく、スタンドから見る時間を”観察”に充てた。これが戦術眼を養う要因となったと山口は振り返る。

【次のページ】 攻めて良し守って良しの万能型!名門・修徳のCB山口春汰に注目(4)

▽令和5年度関東高校サッカー大会東京予選
令和5年度関東高校サッカー大会東京予選