劣勢の中でも奮闘した汎愛MF中田陽輝(写真=会田健司)

 その中田は「5回戦で緊張したんですが、2週間で良い準備が出来たので、みんな勝つ気持ちでやったんですが、やっぱり壁は高かったと実感しました」と改めてプリンス勢の壁の高さを実感。

 「(興國の強さは)高校生活で一番でした。止める蹴るの技術が高くてミスをしないので、どこを狙えばいいかわからなかった。ブロックを組んでいたけど、(足からボールが)離れないし、パススピードも速いので、トラップミスもインターセプトも狙えず、結局相手のシュートミスでゴールキック。マイボールになってもクリアして相手ボール。やっぱり止める蹴るの技術の差が大きかった」と実際に体感した差は大きかったようだ。

 それでも「(大阪府リーグの)3部に興國以上のレベルはいないので良い経験が出来ました。これをリーグ戦や選手権にしっかり還元出来ればもっといい成績を残せると思う」とこの経験を今後に活かしていきたいと話し、「走る、頑張る、というプレースタイルは持ち味なのでそこは変えずに、"公立と言えば汎愛"と言えるぐらいもっとレベルアップしたい。走って強度を高めて相手の嫌なことをどれだけできるか。それを突き詰めていきたい」と力強く語った。

 体格や技術の差、選手層の差などを考えれば公立校にとってはこの中央トーナメント1回戦、2回戦が高い壁だが、普段体感出来ないレベルのチームと対戦できるのが、このトーナメントの醍醐味でもある。だから選手も監督もこの舞台を目指し、さらに上を狙い闘志を燃やし挑み続ける。

 安達監督も「次こそは『公立高校をなめるなよ!』という戦いをみせたいので、気持ちを切り替えていきたい」と選手権を見据え意気込む。

 "公立と言えば汎愛"となるため、汎愛の戦いがここからまた始まる。

 (文・写真=会田健司)

▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選
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