背番号10を背負う履正社MF倉田(写真=会田健司)

 それでも平野監督が選手たちに厳しい言葉を投げかけるのは、彼らへの期待の裏返し。「良いものは持っているけど、あれをやったらこれが出来ない。好きなことしか出来ないではダメ。あれもやってこれも出来る、攻撃も守備もアグレッシブに、それがフットボーラー」この高校サッカーというステージだけをみているのではなく、大学やプロに進んだ先に「日の丸をつけて世界と戦う」選手に成長してほしいからだ。

 履正社では林大地(シント=トロイデンVV)、町野修斗(湘南)などを、ガンバ大阪ジュニアユースの監督時代には稲本潤一(南葛SC)、大黒将志(元G大阪など)などをみてきた平野監督。日本代表に登り詰める選手たちを見てきたからこそ、選手たちへの要求も高くブレることはない。

 昨年はプレミアリーグの前半戦、このインターハイ予選と全国大会を通し、古田和之介を筆頭に選手たちが急成長。選手権を迎える頃にはチーム立ち上げ時とは別のチームに変貌していた。今年のチームも監督が要求する"フットボーラー"の集団になれるかは、選手たちの毎試合の成長にかかっている。

 (文・写真=会田健司)

▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選
令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選