國學院久我山のDF普久原陽平(写真=矢島公彦)
実は、その”塩貝世代”が全国ベスト16まで進出しながら3回戦で岡山学芸館にPK戦の末に敗れたことも、修徳戦の勝利につながっている。岡山学芸館戦では試合を通して押し込んでいたにもかかわらず結局0-0のままPK戦で敗れた。しかもそのあと岡山学芸館が日本一に輝いたとあって、悔しさはなお増した。これをきっかけにチームはPKの練習を始めたという。
岡山学芸館戦でフル出場し、今年のキャプテンを務めるDF普久原陽平はPKで勝利した修徳戦後、以下のように語った。
「岡山学芸館はPKを練習してきた蹴り方だったけど、自分たちは事前に準備できなかった。完全な負けでした。だからPKで負けるのはもったいないなと。李さんには試合で決めろと言われますけど、きょうみたいなことがあるので、やっていて良かったです」
過去の経験や先輩の姿から学び、自分たちの糧とする。それは國學院久我山の大きなストロングポイントだ。進学校とあって、その成長速度は特に大きい。いわば赤本を活用して傾向と対策を練るようなものだからだ。李監督が言う「少しずつ確実にステップアップできるのはうちのチームの特長。これからまた良くなってくる気がしています」というのは、決して建前ではない。
常に進化し続ける國學院久我山が全国大会でどんなパフォーマンスを見せるのか。「楽しみですね。自信を持ってやれると思います」と李監督は選手たちのさらなる成長に期待を寄せている。
(文=多田哲平、写真=矢島公彦)
▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選
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