ガンバ大阪ユース町中大輔監督(写真=志水麗鑑)

 「良い選手は目線とともにファーストタッチがゴールに向いていて、得点までの一連のプレーがスムーズです。また、3対1や4対2などのポゼッション練習は正方形のグリッドが主流ですが、例えば三角形でもいい。三角形の頂点は狭いので、そこに追い込まれ、切り抜けようとする選手は浮き球を使ったり、股抜きをしたり工夫を凝らす。アイデアは難しい状況を打開しようとした時に生まれるんです。狭いスペースを切り抜ける時に浮き球を使えば、最後はボレーシュートだってできる。そのほうが選手も、観ている人も楽しい。ガンバではそういうトレーニングをやっていました」

 相手の堅守に手を焼いた岡山U-18戦、苦しいゲーム展開のなかでもG大阪ユースの選手たちは目線とともにファーストタッチがゴールに向いている選手が多く、FC東京U-18戦での3ゴールは、いずれも一連のプレーがスムーズ。町中監督のコメントも上野山氏の言葉と相通じており、伝統は脈々と受け継がれているのだと感じた。

 G大阪ユースのクラブユース選手権優勝は16年ぶりとなる。FW安藤によれば、ミーティングでは指揮官から全盛期の話があったという。そして、「僕らの代で取り戻そうと思ってやってきた」と想いを明かした。

 日本一に輝いた選手たちのプレー、監督の言葉には脈々と受け継がれるガンバの伝統が凝縮されていた。黄金時代は復活するのではないだろうか。

(文・写真=志水麗鑑)

▽第47回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会
第47回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会