ガンバ大阪ユース町中大輔監督(写真=志水麗鑑)

 伝統は脈々と受け継がれている。

 第47回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の準決勝、1-0で辛勝したファジアーノ岡山U-18戦でそう感じたから、ガンバ大阪ユースを決勝に導いた町中大輔監督に「ガンバらしさを大事にするために、選手への指導で心がけていることは?」と聞いてみた。

 「ボールを回して綺麗なサッカーするよりかは、狭い局面をどれだけ崩せるか。敵が食いつたら逆を突き、相手を騙す。敵を揺さぶるよりも、局面を個人、または複数人でどう打開できるか、というミニゲーム要素のところですね」

 狭い局面を崩すポリシーは、FC東京U-18とのファイナルの舞台でよりいっそう如実に表現されていた。

 まずは26分、FW24安藤陸登(2年)が相手に囲まれながらも巧みなタッチからスピーディに先制弾を決めれば、1-2で迎えた77分にはペナルティエリア手前でボールを受けたMF34當野泰生(1年)が鋭い切り返しから鮮やかなシュートを突き刺す。そして後半アディショナルタイムには、FW38武井遼太朗(1年)がドリブルから強烈ショットを沈めた。いずれもテクニックとゴールへの高い意識が凝縮された3ゴールだった。

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▽第47回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会
第47回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会