明秀日立DF若田部礼(写真=会田健司)
8月4日、令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)の決勝が花咲スポーツ公園陸上競技場で行われ、桐光学園(神奈川1)と対戦した明秀日立(茨城)が2-2からのPK戦の末に勝利を収め、初優勝を果たした。
この優勝をベンチで見守った秀明日立のDF若田部礼(3年)。昨年は2年生にして出場機会を得ていたものの、DF5山本凌(3年)とDF3飯田朝陽(3年)の台頭もあり、今大会はピッチでプレーする機会は訪れず。それでも若田部はウォーミングアップスペースからピッチの選手に声を掛け続け、大会中は裏方としてもチームを支えた。部長でもあるその若田部に決勝戦の試合後に話を聞いた。
ーー日本一になった今の率直な心境は?
嬉しいですね。みんなが頑張ってくれてよかったです。
ーー今大会は強豪との対戦が多かったですが?
自分は試合に関わることは少なかったけど、ピッチ外のところだったり、外から声を出したりで最大限チームのサポートをしようかなという考えでやっていました。
ーー昨年は試合にも出ていたこともあって悔しい気持ちもあったと思いますが、部長という立場もあって色々葛藤があったのでは?
最初は出れなくて、やっぱり吹っ切れなかったってことが多くて、自分のことばかり考えてしまった時もあったんですけど、やっぱりチームが頑張ってくれている中で自分がそんなことしていられないなという刺激をもらって、こうやって優勝できたので本当に嬉しいです。
ーーそうやって変われたきっかけは?
ここには来てないですけど、小野コーチといってセカンドチームとかを見てくれているコーチに「お前は大丈夫だぞ!」という声をずっとかけてもらっていて、それが本当に心の支えになりました。そして親からも支えてもらっていたので、ここでまで頑張れたんだと思います。
ーー今日の試合もピッチとベンチの一体感が凄くありましたが、関東大会ではチーム状況も良くなかった中でどうやって改善してきたのですか?
一回戦が静学って聞いてから、もう何も気負わずに自分たちがやるしかないという空気になりました。それでベンチからも盛り上げて、応援も来てくれていたので一体感をもってやってやろうという気持ちにみんながなりました。
明秀日立DF若田部礼(写真=会田健司)
ーー部長としてはどんなことを意識してきましたか?
自分はピッチ以外のところでずっと厳しくやるというのは意識してやってきたので、ダメなことはしっかりダメと言って、いい方向にもっていけるようにずっと苦労してきたので、それは1年生の頃から伊藤コーチや萬場監督にずっと言われてきたので、それが今結果に出てよかったと思っています。
ーー普段の生活でも気を付けてきたことは?
日常とサッカーが繋がっていることを意識していて、PKだったり、そこで決められるかどうかだったりも日常にかかっていると思うので、朝に掃除をしたりとか、学校生活でも模範となる行動を心掛けて、自分は常に先頭に立ってみんなの模範となれるようにやってきました。
ーー勝ち進むにつれて反響も大きかったのでは?
自分が出ていなくても、チームの活躍でこうやって明秀日立の名前が世間に知れ渡ったのがよかったと思っています。
ーーこれから選手権に向けてはポジション争いもあると思いますが、意気込みはどうですか?
ここで自分はピッチに立つことが出来なかったので、冬の選手権でまずは全国に出てもう1回日本一を取りたいと思っています。
(文・写真=会田健司)
令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)