部長のDF若田部礼(左から2番目)とともにチームを支えた(写真=多田哲平)
そして県北地区予選の代表決定戦からスタートし、全7試合を勝ち抜き、全国大会への切符を獲得。準々決勝では鹿島学園をPK戦の末に破り、準決勝では水戸商に1-0で競り勝ち、決勝では関東大会予選で苦杯をなめさせられた霞ヶ浦に1-0でリベンジを達成した。
その決勝後、山本は正式にキャプテンに就任し、全国大会ではチームの快進撃を支え続けた。キャプテンとして臨んだ今大会を山本は「やっぱりキャプテンになると見られ方が違うし、チームメイトから求められるものも変わる。良い経験でした。毎回取材に対応するので上手く喋れるようにもなりました」とはにかみながら振り返る。
もっとも、まだ秋冬に向けて戦いが続くことも理解している。
「今回のカップを持てるのは日本でひとつの高校だけ。それをもらえたのは嬉しかったです。ただ、インターハイで日本一になっておいて冬に県予選で負けるのはあってはならないので、これで満足するのではなく、しっかり冬も全国大会に出て、また明秀日立はやっぱり強いんだなと全国の人に知ってもらえるように頑張りたい」
そして個人の目標もある。
「サッカーノートに『日本一のDFになる』って書いているんです。今回で日本一のキャプテンにはなれたかもしれないけど、やっぱり青森山田のCBはレベルは違うなと痛感しました。そこに個人としての実力で勝ってこそ日本一のDFだと思う。明秀のCBは凄いなと言われるようになりたいです」
そう語る山本の目には、さらなる闘志が燃えていた。
(文・写真=多田哲平)
令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)